アンニョンハセヨ、韓国語ずきのゆきーたです。
今回は、初級レベルでもおなじみの【쓰다】に注目していきます。
基本的な動詞 【쓰다】
動詞【쓰다】には、大きく分けて3つの意味があります。簡単に復習してみると、こんな感じです。
①書く
연필로 써요.
(鉛筆で書きます)
②かぶる
모자를 써요.
(帽子をかぶります)
③使う
국산품을 써요.
(国産品を使います)
辞書を引いていただくとお気づきになるかもしれませんが、③の「使う」の項目には、「使う」という意味以外にも、いろんな意味が載っています。
そこで、本日は【쓰다】の③「使う」から派生した少し高度な意味、用法を見ていきます。
ちょっと高度な動詞【쓰다】
「使う」という意味の【쓰다】は、慣用表現として、また、「使う」から派生した独特な表現で使われることが多いです。
我を張る
まずは「我を張る」という意味です。
この意味で使われる場合、動詞の前に来る目的語は【억지】(無理強い)または【떼】(わがまま)の2つです。
【억지를 쓰다】【떼를 쓰다】で、「わがままを言う」という慣用表現になります。
억지를 쓰지마.
(わがままを言うな)
떼를 쓰지마.
(わがままを言うな)
おごる、恵む
次は「おごる」や「恵む」という意味での使い方です。他の人に何かをごちそうしたり、気前よくしてあげるというニュアンスで使われます。
この場合、一緒に使われる名詞の1つが【한턱】です。 【한턱】は、「人におごること」「ごちそうをすること」を意味する名詞です。
【한턱 쓰다】で「おごる」という慣用表現となります。
제가 한턱 쓸게요.
(私がおごります)
おもしろいことに、【한턱 쓰다】が正しい形なのですが、俗語的に【쓰다】ではなく、【쏘다】(射る、撃つ)が使われることがとても多いです。
ネイティブの間でも【한턱 쏘다】が正しいと思って使ってる方も多いのですが、本来の正解は 【한턱 쓰다】だそうです。
제가 한턱 쏠게요.
(私がおごります)※俗語
他に【인심】(人心)も、【쓰다】と相性がよい単語です。
【인심을 쓰다】で、「気前よくする」という意味で使われます。
후한 인심을 써주셔서 더욱 좋았어요.
(手厚く、気前よくしてくださって、さらによかったです)
~しなければだめだ
次は、【-해야 쓰다】という形で使われるケースです。
【-해야】には、「~してこそ」という意味があります。
そして、この場合の【쓰다】には、「OKだ」「使える」「意味がある」というニュアンスがあるように個人的には感じています。
ですので、【-야 쓰다】を、くどく訳すなら「~してこそ使える、意味がある、使いものにになる、使える」という感じです。
そして、きれいに意訳してみると、シンプルに「~しなければならない」という意味になります。
빨리 가야 쓰지.
(早く行ってこ使える=早く行かなければならない)
공부를 좀 해야 쓰겠다.
(勉強をしてこそ使える=勉強をしなければならない)
공부를 좀 해야 쓰지 않겠어?
(勉強してこそ使えるじゃないんですか=勉強しなければだめなんじゃないですか)
~してはいけない
最後の【쓰다】は、反語的に使われる表現です。この場合の【쓰다】の意味は「道理にかなって正しい」という意味です。
例えば、次の例文を見てください。直訳すると「大人にたてついたら、道理にかなって正しいですか?」となりますが、反語になり「いえ、道理にかなっていません。悪いことです」という意味になります。
もっとシンプルに訳すなら「大人にたてついてはいけません」という意味になります。
어른에게 대들면 쓰나?
(大人にたてついたら、道理にかなっていますか?いえ、そんなことはありません。大人にたてついてはいけません)
同じように、次のような表現もよく使われます。
그렇게 함부로 말을 해서 쓰겠니?
(そんなに言いたい放題言って、正しいの?いえ、正しくないです。言いたい放題言ってはいけません)
ちなみに、不可能を表す【못】と【쓰다】がくっついてできたと思われる【못쓰다】という動詞があります。
この【못쓰다】は、「正しくない」「良くない」という意味で、【-면 못쓰다】の形でよく使われ、「~するのはよくない」「~してはいけない」というニュアンスになります。
그러면 못써.
(それではいけません)
すこし高度な使い方ではありますが、日常生活でバンバン登場する表現ばかりです。
ぜひ、マスターして活用してみてください。