アンニョンハセヨ、韓国語ずきのゆきーたです。
今回は、二重パッチムの単語の発音について見ていきたいと思います。
二重パッチムの発音は、一見、難しそうです。でも、つきつめてみると、実は意外にシンプルでもあります。
二重パッチムの大原則
まずは、大原則を確認します。
二重パッチムは全部で11個
二重パッチムの種類は全部で11個です。これ以外の組み合わせは存在しません。
【ㄳ】【ㄵ】 【ㄼ】【ㄽ】【ㄾ】【ㅄ】【ㄶ】【ㅀ】【ㄺ】【ㄻ】【ㄿ】
左側の子音だけで発音することがほとんど
11個ありますが、そのうち8個(下の①~⑧の青字のもの)は、左側のパッチムの音だけを発音します。
残りの3個(下の⑨~⑪の赤字のもの)は、右側のパッチムを発音します。
①【ㄳ】, ②【ㄵ】, ③【ㄼ】, ④【ㄽ】, ⑤【ㄾ】, ⑥【ㅄ】, ⑦【ㄶ】, ⑧【ㅀ】
⑨【ㄺ】, ⑩【ㄻ】, ⑪【ㄿ】
左側のパッチムを発音する青字の①~⑧の二重パッチムの単語の例をまとめると、次のようになります。
①【ㄳ】넋[넉](魂)
②【ㄵ】앉다[안따](座る)
③【ㄼ】여덟[여덜](八つ)
④【ㄽ】외곬[외골](一本道)
⑤【ㄾ】핥다[할따](なめる)
⑥【ㅄ】없다[업따](ない)
⑦【ㄶ】많다[만타](多い)
⑧【ㅀ】싫다[실타](嫌だ)
赤字の⑨~⑪については、次の項目で詳しく説明します。
二重パッチムのいろんな例外
【ㄺ】【ㄻ】【ㄿ】に関するルール
【ㄺ】【ㄻ】【ㄿ】=「クマのぺさん」は右の音を読む
ほとんどの二重パッチムが左のパッチムを発音するのに対して、 【ㄺ】【ㄻ】【ㄿ】 の3つは右側の音を発音します。
NHKの韓国語講座でだったか記憶が定かではありませんが、ある講師の方がこの3つの二重パッチムの覚え方のコツを説明していました。
それは、 【ㄺ】【ㄻ】【ㄿ】 の右側の音【ㄱ】【ㅁ】【ㅍ】をヒントに「구마(クマ)の페(ペ)さん」と呼んで覚えましょう!と言う内容だったかと思います。
たしかに、「クマのぺさん」はインパクトがあり、覚えやすいです。
⑨【ㄺ】읽다[익따](読む)
⑩【ㄻ】젊다[점따](若い)
⑪【ㄿ】읊다[읍따](詠む、吟じる)
注意!【ㄺ】で終わる用言のあと【ㄱ】が来たら【ㄹ】読む
ここで1点注意があります。
右側の音を読む「クマのぺさん」こと 【ㄺ】【ㄻ】【ㄿ】 のパッチムのうち 【ㄺ】 には、気を付けなければなりません。
例えば、【읽다】(読む)。ルール通り、右側のパッチムだけを発音すると【익따】です。
ですが、【ㄱ】の音から始まる語末表現や活用の場合にのみ【ㄺ】の【ㄹ】の方を発音するというルールがあります。
動詞【읽다】の場合
【읽다】+【-고】(~して)=【읽고】[일꼬](読んで)
【읽다】+【-거나】(~たり)=【읽거나】[일꺼나](読んだり)
【읽다】+【-게】(~するように)=【읽게】[일께](読んで)
形容詞【맑다】の場合
【맑다】+【-고】(~して)=【맑고】[말꼬](清くて)
【맑다】+【-거나】(~たり)=【맑거나】[말꺼나](清かったり)
【맑다】+【-게】(~く)=【맑게】[말께](清く)
超特別扱いの【밟다】
最後に、超特別扱いの単語を1つ紹介します。
「踏む」という意味の動詞【밟다】は、「クマのぺさん」ではありませんので、本来なら左側のパッチムを発音すべきです。でも、この動詞だけは特別に右のパッチムを発音します。
ですので、[밥따]が正しい発音になります。
【밟다】+【-고】(~して)=【밟고】[밥꼬](踏んで)
【밟다】+【-지】(~するよ)=【밟지】[밥찌](踏むよ)
【밟다】+【-게】(~く)=【밟게】[밥께](踏むように)
まとめ
以上、長くなりましたが、要点は
①二重パッチムは基本的に左を発音。
②でも、「クマのぺさん」(【ㄺ】【ㄻ】【ㄿ】)は、右を発音。
③けれど、「クマのぺさん」の 【ㄺ】は、活用して 【ㄱ】の音に続くときは左の【ㄹ】を発音する。
④例外的に、動詞【밟다】は特別扱いをして、右を発音。
となります。
難しいようで、簡単なようで、でもやっぱり複雑ですかね?
以上、二重パッチム大研究でした。