アンニョンハセヨ、韓国語ずきのゆきーたです。
韓国語との日本語は文法がとても似ていますが、やはり大きな違いもちょこちょこ見受けられます。
今回はその違いの1つであり、また韓国語らしい点を紹介したいと思います。
それは、韓国語の過去形の働きについて。
韓国語の過去形は、単に過去に何が起こったということだけではなく、現在の状態を表すときにも使われるのです。日本語にはなかなかないこの特徴。今回は、過去形のなに現在のことを表す韓国語ならではの表現をみていきたいと思います。
過去形で「現在の状態」を表す
日本語の過去形は過去に「〇〇した」ということを表すのに対して、韓国語の過去形は、過去に「〇〇した、そして、その結果として現在〇〇とという状態だ」という意味まで含んで使われることがとても多いです。
全ての動詞がこのように過去形で現在の状態を表すことができるというわけではありません。でも、かなりいろんな動詞の過去形にこの現象は起こります。
ここでは、代表的なものをあげていきたいと思います。
結婚している:결혼했어요
日本語では、既婚か未婚かをたずねる時に「結婚していますか」と聞くのが普通ですが、韓国語では必ず過去形です。
결혼했어요?
(結婚していますか)
네, 결혼했어요. 결혼한지 5년이 됐어요.
(はい、結婚しています。結婚して5年たちます)
付いている:묻었어요
「付く」「くっつく」という意味のある動詞【묻다】も、過去形が「~ている」という現在の状態を表す形でよく使われます。
何かがくっつくという動作が完了して、その状態が続いているということを表しています。
얼굴에 뭐가 묻었어요.
(顔に何かつきました / 何かついています)
止んでいる:그쳤어요
【그치다】(止む、止まる)も過去形で、「止んでいる」「止まっている」という状況を表すことができます。
「止む」という動作が完了し、その状態が続いているということを表します。
비가 그쳤어요.
(雨がやみました / やんでいます)
咲いている:피었어요
【피다】(咲く)も、過去形で「咲いている」という現在の状態を表すことができます。
「咲く」という動作が完了し、その状態が続いているという意味になります。
벚꽃이 많이 피었어요.
(桜がたくさん咲きました / 咲いています)
残っている:남았어요
【남다】(残る)も、過去形で「残っている」という現在の状態を表すことができます。
「残る」という動作が完了し、その状態が続いているという意味で使われます。
한개 남았어요.
(1つ残りました / 残っています)
着ている:입었어요
【입다】(着る)も、過去形で「着ている」という現在の状態を表すことができます。
「着る」という動作が完了し、その状態が続いているという意味として使われます。
아이는 빨간 옷을 입었어요.
(子供は赤い服を着ました / 着ています)
過去形で「現在の性質」を表す
先に説明したパターンは、過去形が「現在の状態」を表現するものでした。
次は、過去形が「現在の性質」を表すというものです。これは一部の動詞に特定され、数も限られています。
かっこよい:잘생겼어요
最も有名なのが【잘생기다】です。「かっこいい」という現在の性質を表す際にも、必ず【잘생겼다】と過去形で表現します。
【잘】は、もともと「よく、立派に」という意味の副詞、【생기다】は、「ないものが有るようになる、生じる、起きる」という意味です。
「立派に生じた」。そして、それが現在も続いている・・・という解釈になります。
그 배우는 정말 잘생겼어요.
(その俳優はとてもかっこいいです)
かっこ悪い:못생겼어요
【잘생기다】 の反対【못생기다】(かっこ悪い)も、やはり現在の性質を表す際に過去形でしか使いません。
【못】は、もともと「一定のレベルに達しない」という否定の意味の副詞です。
「 一定のレベルに達しないで生じた」。そして、それが現在も続いている・・・という解釈になります。
우리 남동생은 못생겼어요.
(うちの弟はかっこ悪いです)
優れている:잘났어요
「優れている」「見た目が良い」という意味の【잘나다】も、過去形で現在の性質を表します。
【잘】は、もともと「よく、立派に」という意味の副詞、【나다】も【생기다】と同じく、「発生する、起こる」という意味です。
「立派に生じた」。そして、それが現在も続いている・・・という解釈になります。
동생이 너무 잘났어요.
(弟はとても優れています。見た目がよいです)
劣っている:못났어요
【잘나다】の反対は【못나다】です。これも、過去形で現在の性質を表します。
그 배우는 못났어요.
(その俳優は劣っています。見た目がいまいちです)
似ている:닮았어요
【닮다】は、日本語の「似る」と簡単に訳されますが、本来の意味は「人や物がお互いに似ている様子や性質をもつ」という意味です。
「似ている性質を持った」結果、そして、それが続いているという解釈でなのでしょう、必ず過去形で現在の「似ている」を表現します。
어머니를 많이 닮았어요.
(お母さんにとても似ています)
やせている:말랐어요
【마르다】も、やはり過去形で「やせている」という現在の意味を表します。必ず過去形で表現します。
【마르다】は、「肉が落ちるてやせこける」という意味がある動詞です。「肉が落ちてやせこけた」という過去の結果をうけて、今もその性質が続いていると言う解釈なのでしょう。
친구는 너무 말랐어요.
(友達はとてもやせています)
古びている:낡았어요
同じく【낡다】も過去形で使います。
【낡다】 は、「古ぼける」という意味の動詞です。「古ぼけた」結果、今もそれが続いているということなのでしょう、必ず過去形で表現します。
아파트가 너무 낡았어요.
(アパートがとても古びています)
~のように見える:-게 생겼어요
【생기다】と言う動詞は、単独で「生じる、起こる」という意味がありますが、形容詞の副詞化【-게】の形とセットで使う場合には「人や物の見た目が~になる」という意味で使います。
【-게 생기다】の形の場合には、必ず過去形 【-게 생겼다】 で現在の性質を表します。
「~のようになった」結果、その性質が今も続いているという解釈なのだろうと思われます。
아이가 정말 예쁘게 생겼어요.
(子供が本当にかわいく見えます)
過去形が「まだ~していない」という意味を表す
最後に、過去形に関して日本語との韓国語での表現方の違いを見ていきたいと思います。
日本語では、食事が終わっていない時「まだ食べていない」と表現します。
この「まだ~していない」という表現を、韓国語では表現する場合には、過去形を使って「まだ~しなかった」という形を使うのが自然です。
밥은 악직 안 먹었어요.
(ご飯はまだ食べなかったです=ご飯はまだ食べていません)
아직 결혼 안 했어요.
(まだ結婚しませんでした=まだ結婚していません)
숙제를 아직 안 했어요.
(宿題をまだしませんでした=宿題はまだしていません)
「まだ~できていない」という不可能の表現の場合にも考え方は同じですが、【안】の代わりに、【못】を使います。
친구를 아직 못 만났어요.
(友達にまだ会えませんでした=友達ににまだ会えていません)
그 책은 아직 못 읽었어요.
(その本はまだ読めませんでした=その本はまだ読めていません)
参考までに・・・日本語の「まだ~していない」を、そのまま直訳して【아직 안 하고 있다】という形にすると、「まだ~せずにいる」という意味となり少しニュアンスが変わってきます。
밥을 아직 안 먹고 있어요.
(ご飯はまだ食べないでいます)
あとがき
いかがでしたでしょうか?
日本語であれば「~ている」という現在形を間違いなく使う状況でも、韓国語では韓国語を使うのが自然というパターンが意外に多いです。
慣れるまでは大変ですが、そういうものだとしっかり頭に入れてしまうと、この韓国語特有の過去形にもなじんでくるはずです。
ぜひ、マスターして活用してみてください。