アンニョンハセヨ、韓国語ずきのゆきーたです。
韓国語の会話で本当に、頻繁に、何度も登場する動詞の代表格と言えば【부리다】ではないでしょうか。いろんな名詞の後にくっついてたくさんの慣用表現を作ってくれます。
今日は一体いくつ慣用表現があるんだ?と思うぐらいたくさんの表現に登場する動詞【부리다】に迫りたいと思います。
ネイティブがよく使う韓国語【부리다】とは?
動詞の【부리다】には本当にたくさんの意味があります。辞書に載っている意味をは全部でざっくり5つです。
①人や牛馬などを使う、働かせる
②機械などを操縦する、操る
③おばけを呼んで思いのままに操る
④才能、芸、技、手腕、知恵、計略などを思うままに操る、働かせる
⑤ある行動や性質を見せる、ふるまう
これだけ意味があるのですが、日常会話でよく耳にするのは圧倒的に⑤の意味です。
ですので、今回は①~④はさらっと進め、⑤の意味にフォーカスしてみていきたいと思います。
ネイティブがよく使う韓国語【부리다】の使い方
①「人や牛馬などを使う、働かせる」という意味の【부리다】
まずは①の意味からです。この【부리다】は、辞書では「働かせる」という意味で載っていますが、「こき使う」というちょっとネガティブな要素を含んだ意味で使われることが多いです。
말로는 부탁이라고 하고 아주 당연하게 사람을 부렸다.
(口ではお願いと言ってとても当たり前のように人を働かせた)
②「機械などを操縦する、操る」という意味の【부리다】
次は、「操る」という意味で。「船を操縦する」と言うような言い方で見かけることがあります。
어부가 배를 부려서 바다로 나갔습니다.
(漁師が船を操縦して海に出ていきました)
③「おばけを呼んで思いのままに操る」という意味の【부리다】
巫女にお化けや霊を呼ばせて何かする・・・といった韓国の歴史ドラマにありがちな場面ですが、そんな時に使えるのがこの【부리다】です。日常会話ではあまり使う機会がないですが、知ってると面白いかもしれません。
귀신을 부리는 무당
(おばけを呼ぶ巫女)
④「才能、技などを思うままに操る」という意味の【부리다】
④の意味は、特殊な能力を操るというニュアンスで使われます。
요술을 부리다:妖術を行う
【요술】は、「妖術」のことですが、「魔法」と言うニュアンスで使われる単語でもあります。
「魔法をかける」「妖術を行う」は、【부리다】で表現します。
꼬마 마녀가 요술을 부려 세탁하는 재밌는 이야기
(子供の魔女が魔法をかけて洗濯をする面白い話)
마법을 부리다:魔法をかける
마범의 지팡이로 어떤 마법을 부리고 싶나요?
(魔法の杖でどんな魔法をかけたいですか)
⑤ 「ある行動や性質を見せる、ふるまう」【부리다】
「行動や性質をあらわにする」を意味する【부리다】 は、【부리다】が最もよく使われます。【いろんな名詞+를 부리다】の形で無数に使われます。どの場合も直訳するなら「〇〇〇という行動や性質を見せる、ふるまう」となります。
今回は代表的な物をいくつかの系統に分けて紹介したいと思います。
トラブル系
まずは、トラブルや困ったこと、ネガティブなことを表すときに使う場合です。
말썽을 부리다:トラブルを起こす
【말썽】は、「もめごと」「トラブル」「いざこざ」と言った意味がある単語です。
【말썽을 부리다】を直訳するなら、「もめごと、トラブルをふるまう」となり、慣用的によく使われます。
우리 애가 혹시 수업 중에 말썽을 부리지는 않나요?
(うちの子がもしかして授業中に問題を起こしていないでしょうか)
機械がトラブルを起こすこともこの 【말썽을 부리다】 で表現することが多いです。
컴퓨터가 요즘 말썽을 부리네요.
(パソコンが最近よく問題を起こします=トラブルになる、調子が悪い)
심술을 부리다:意地悪をする
【심술】は、「心述」と書き「意地の悪いこと」を意味します。【심술을 하다】でもいいんじゃない?と感じますが、慣用的にもう【심술을 부리다】で決まりです。
친구들에게 심술을 부렸다.
(友達に意地悪をした)
투정을 부리다:だだをこねる
【투정】は、「ねだること」「すねること」を意味します。こちらも【하다】はつかず、【부리다】とお決まりの組み合わせです。
딸이 과자를 사달라고 투정을 부렸다.
(娘がお菓子を買ってくれと駄々をこねた)
고집을 부리다:意地を張る
【고집】は、漢字で「固執」と書きます。それからもわかるように1つのことに執着する「意地」を意味します。
자신이 옳다고 해도 너무 고집을 부리지 마세요.
(自分が正しいからといってあまり意地を張らないでください)
억지를 부리다:意地を張る、無理押しをする
【억지】は、いろんな意味があります。「意地」「無理押し」「ごり押し」など。自分の主張を曲げず言い張るという意味です。
그는 말도 안 되는 억지를 부리고 있다.
(彼はとんでもなく意地を張っている)
늑장을 부리다:ぐずぐずする
【늑장】は、「ぐずつくこと」を意味します。
날씨도 이러니 가기 싫어서 늑장만 부리고 있어요.
(天気がこんななので行きたくなくて、ぐずぐずしています)
だます系
次もネガティブな意味ですが、だます系の意味がある表現です。
꾀병을 부리다:仮病を使う
【꾀병】の【꾀】は、「はかりごと」「悪知恵」と言う意味があります。それに【병】(病)をつけて「はかりごとの病気」=「仮病」です。
그는 꾀병을 부리고 있어요.
(彼は仮病を使っています)
엄살 부리다:仮病を使う
【엄살】は、「痛いふり」「大変なふり」。そこから派生して「仮病」という意味でも使われます。
제 생각에 그는 엄살을 부리고 있는 것 같아요.
(私が思うに彼は仮病を使っているようです)
かわいい系
次は、かわいらしく、愛嬌見せたり、甘えたりするといった意味の表現を見ていきます。
어리광을 부리다:甘える
【어리광】は、「子どもが大人に甘えること」。【어리광을 부리다】は、定番の表現です。
어린 시절로 돌아가, 마음껏 어리광을 부리고 싶을 때가 있었을 것이다.
(子供時代に戻って思いっきり甘えたい時があったはずだ)
애교를 부리다:愛嬌を振りまく
【애교】は、漢字で「愛嬌」。「愛嬌を振りまく」。こちらもおなじみの定番表現です。
갑자기 애교를 부려봤다.
(急に愛嬌を振りまいてみた)
멋을 부리다:おしゃれする
【멋】 は、「洒落」「粋」「風流」といった意味があります。「おしゃれをする」は、この【멋】に【부리다】を組み合わせて表現します。
겨울에도 치마로 멋을 부려보자.
(冬にもスカートでおしゃれをしてみよう)
力を見せる系
次は、強さを見せるタイプの表現です。
기승을 부리다:猛威を振るう
【기승】は、漢字で「気勝」。「負けん気」「勝ち気」と訳されますが、【기승을 부리다】は、「猛威を振るう」というニュアンスでよく使われます。
次の文は天気予報で度々登場する文です。
강추위가 기승을 부리고 있다.
(厳しい寒さが猛威を振っている)
위세를 부리다:威勢を振るう
【위세】は、漢字で「威勢」。【위세를 부리다】は、「威勢を振るう」という意味になります。
외환시장에서는 달러가 다시 위세를 부리고 있다.
(外貨市場では、ドルが再び威勢を振るっている=ドルが強くなっている)
여유를 부리다:余裕ぶる
【여유】は、漢字で「余裕」。【여유를 부리다】は、「余裕ぶる」、かなり俗な言い方にするなら「余裕こく」という感じでしょうか。
이렇게 여유를 부리면 안 되는데...
(こんなに余裕ぶっててはいけないのに)
欲望系
「欲望」を表す表現にも 【부리다】 がよく使われます。
욕심을 부리다:欲張る
【욕심】は、漢字で「欲心」。【욕심을 부리다】で、「欲張る」という意味で使われます。
자꾸 욕심을 부려서 망했어요.
(やたら欲張って失敗しました)
과욕을 부리다:欲を出す
【과욕】は、漢字で「過欲」。【욕심】よりもちょっと堅い単語ですが「欲望」と言う意味で使われます。
사람들은 과욕을 부리다가 말년을 힘들게 보낼 수 있습니다.
(人々は欲を出し過ぎて晩年に大変な思いをして過ごす可能性がある)
사치를 부리다:贅沢をする
欲望系とはちょっと違うかもしれませんが、漢字で「奢侈」と書く【사치】(ぜいたく)も【부리다】とセットで使われ、「贅沢をする」という意味になります。
약간 사치를 부려서 음료도 주문을 해봤다.
(少し贅沢をして飲み物も注文してみた)
才能見せる系
재치를 부리다:才覚を見せる、ウィットに富んだ面白いことを言う
【재치】は、漢字で「才知」。「才覚」と言う意味です。
작가가 대단한 재치를 부렸다,
(作家が見事な才覚を見せた)
他に【재치】は、「機転の利いたウィットのある話」という意味でも使われ、【재치를 부리다】で、「ウィットに富んだことを言う」という表現に使うことができます。
재치를 부려 스튜디오를 웃음바다로 만들었다.
(ウィットに富んだ面白いことを言ってスタジオを笑いの渦にした)
재주를 부리다:腕前を披露する
【재주】は、「才能」「才覚」という意味や、「芸」「技」という意味があります。賢い動物が見せる「芸」は、この【재주】で表現します。
서커스장에서 원숭이가 재주를 부리고 있다.
(サーカス上ではサルが芸を披露している)
あとがき
慣用表現、定番表現で使われていることが多いので、 【부리다】 のそもそもの意味は意外にスルーされてしますのですが、「ある行動や性質を見せる、ふるまう」という意味があるなら、「ああ、なるほどね」という感じがします。
【いろんな名詞+를 부리다】 の表現は他にもたくさんありますが、ありすぎてすべては紹介できません。いろんな名詞に使えるので、困ったときには【하다】か【부리다】かを当てはめてみたらいいんじゃない?って思うぐらい使用頻度の高い動詞です。
ぜひ、マスターして活用してみてください。