ネイティブがよく使う韓国語【뼘】をマスターする。

便利な名詞

アンニョンハセヨ。韓国語ずきのゆきーたです。

相変わらずドラマ『愛の不時着』どまりの私ですが、今日はドラマのセリフではなく、OSTの歌 『Flower 』 の中からある単語を紹介したいと思います。

『Flower 』 という歌の中に、【나의 한 뼘보다 작은 꽃에】という歌詞があります。

この【뼘】と言う単語、あまり見慣れないかもしれないのですが、 とってもよく使われる単語なんです。

ぜひ、ご一読ください。

ネイティブがよく使う韓国語【뼘】とは?

【뼘】 には3つの種類がある!?

【뼘】は、手を使った単位を表します。日本語でも手を広げたときの親指の先から中指の先までの長さを「尺」と言ったりしますが、同じ発想です。

では、 【뼘】は、どの部分の手の長さを意味するのかと言うと・・・なんと3つも種類があるんです!

どれも基準点は「親指」なのですが、「親指」から、どの指までの長さなのかによって3種類の【뼘】が存在します。

①「親指」と 「中指」 を広げた時の 「親指」 から「中指」までの長さ:【장뼘】

② 「親指」 と「人差し指」を広げた時の 「親指」 から 「人差し指」 までの長さ:【집게뼘 】 略して【집뼘】

③手を完全に広げた時の 「親指」 から小指までの長さ:【쥐뼘】

【뼘】って、どの【뼘】?

さて、問題は、 実際の会話では、①②③の意味を正確に伝える 【장뼘】 【집뼘】 【쥐뼘】 はあまり使われず、ほとんど 【뼘】 だけで使われているということ。

ただ単に【뼘】というだけでは、どの【뼘】なのかは、不明確なわけで・・・まあその辺はかなりアバウトな感じで、状況に応じてサイズを想像する感じになってしまいます。

ですが、韓国のサイトで【한 뼘 길이】(한뼌の長さ)というキーワードで画像検索をしてみたら、圧倒的に②と③の手の写真がヒットしました。

ですので、おそらく多くの韓国人の間では②③が、【뼘】のイメージのようです。個人差があるのかもしれません。

『Flower 』の歌詞の【한 뼘】ってどう訳す?

さて、冒頭に紹介したドラマ『愛の不時着』のOST『Flower 』の歌詞【나의 한 뼘보다 작은 꽃에】に戻って、この歌詞がどういう訳になるのかというと‥‥①~③のどの【뼘】なのか正確には不明です。

私が持っているCDの日本語訳では「私の指一本分より小さな花」と訳してあります。

かなり厳密に言うと、 【뼘】 は、「指一本分の長さ」ではなく、「指の指の間の長さ」ですし、①~③のどれ?かも不明です。

でも、 「私の指一本分より小さな花」 =「指で計れるサイズぐらい小さい」というニュアンスは伝わります。

それに、歌詞に 「親指と中指を広げた長さより小さい」なんて書いてあったらちょっと興ざめな感じもするので、素敵な意訳なのでは?と思います。

【뼘】の使い方

では、この【뼘】が、実際にどのように使われているのかを見ていきたいと思います。

単位として使う

まず、指と指の間の長さを単位のように使う場合です。助数詞のように使えるので、【한 뼘】【두 뼘】【세뼘】・・・というように前に数字を付けて使うことができます。

正確なサイズは分からないけど、「大体このぐらいのサイズですよ~」と伝えるときによく使われます。

※各例文の日本語訳は、上で説明した①~③のどれかは、なんとなくで当てはめています。なんとも訳しづらいので、かなり意訳しているものもあります。ご了承ください。

이것을 놓을 자리는 한 뼘이면 됩니다.

(これを置く場所は 親指と人差し指を広げた長さであれば大丈夫です)

商品のサイズを説明する際に【뼘】が使われていることが多いです。

작은 사이즈의 상품인데 여자분들 손 한 뼘정도 크기예요.

(小さいサイズの商品で、女性の手を広げた程度の大きさです)

용량이 50ml인데 한 뼘정도 크기로 한 손에 들어오는 사이즈입니다.

(容量が50mlですが、手のひらぐらいの大きさで、手に収まるサイズです)

植物の成長を「〇〇ぐらい成長した」と表すときにも、 【뼘】がよく使われています。

4월 중순에 씨앗 심어 5월 중순에 두 뼘정도 키가 컸어요.

(4月中旬に種を植えて5月中旬には手の大きさ2つ分ぐらい成長しました)

指から指の長さ1つ分ではなく、複数分になるパターンもたくさん使われます。

제 손가락으로 세 뼘 정도 되는 사이즈입니다.

(私の指で、指から指の間の長さ3つ分のサイズです)

아이 손으로는 다섯 뼘인데 엄마 손으로 재면 네 뼘입니다.

(子供の手では、指から指の長さ5つ分でしたが、お母さんの手では4つ分です)

「少しだけ」という意味で使う

次は、【뼘】を、抽象的な意味で「少しだけ」というニュアンスで使う場合です。この場合には、固有数詞の「一つ」を意味する【한】とセットで使われます。

커피 한잔으로 얼굴도 모르던 분들과 한 뼘 가까워진것 같다.

(コーヒー一杯で顔も知らなかった人と少しだけ近くなったようだ)

집안의 품격을 한 뼘 업그레이드시킬 수 있는 향초

(家の品格を少しだけアップグレードしてくれるアロマキャンドル)

【크다】(大きくなる)、【성장하다】(成長する)、【자라다】(育つ)のような変化を表す動詞と相性が良く、セットで使われることが多いです。

오늘도 아이는 한 뼘 자랐다.

(今日も子供は少し成長した)

이번 대회 기간에 한 뼘 더 컸다.

(この大会の間にさらに少し成長した)

독서를 하고 친구들과 이야기하면 한 뼘 더 성장해요.

(読書をして友達とおしゃべりしたらさらに少し成長します)

結果が満足できるレベルに少し達しなかったという残念な時にも使われます。

우승에 한 뼘 모자랐지만 열심히 했다.

(優勝には少し至らなかったが頑張った)

최선을 다했으나 역시 실력이 한 뼘 부족했다.

(最善を尽くしたがやはり実力が少し不足していた)

「とっても小さい」という意味で使う

「手のひらサイズ」のような感覚ですごく小さいことを表現するときにも使われます。

たとえば、こちらの浄水器は、横の長さが18センチ【한뼘】(親指から人差し指の長さ)しかないことを売りにしています。

他にも、「とっても小さな〇〇〇」という感覚でこじまりしたニュアンスを出すためのネーミングにも使われていたりします。

한뼘 미술관

(とっても小さな美術館)

한뼘 도서관

(とっても小さな図書館)

한뼘 정원

(とっても小さな庭園)

「超ミニ」という意味で使う

最後は、「超ミニ」という意味での使われ方です。

ミニスカート、ミニビキニ、ホットパンツ・・・という意味で使われています。

너무나도 짧은 한뼘 치마.

(とっても短いミニスカート)

한뼘 반바지를 입고 각선미를 자랑하고 있다.

(ホットパンツをはいて脚線美を自慢している)

한뼘 비키니를 입고 해맑게 웃고 있다.

(ミニビキニを着て明るく笑っている)

あとがき

いかがでしたでしょうか。

一言で【뼘】と言っても、手のひらサイズなので、親指から人差し指の長さ程度のサイズなのか、正確には分かりませんが・・・なんとなくのサイズは十分伝わります。

歌詞にもちょこちょこ登場する【뼘】。気を付けているといろんなところで出会うかもしれません。

ぜひ、マスターして活用してみてください。

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