アンニョンハセヨ。韓国語ずきのゆきーたです。
今日は満を持して【어쩌다】という単語を紹介したいと思います。
この【어쩌다】は、ほんとうにいろんな形に変わって、たくさん使われている単語なんです。
変容ぶり、多様ぶりがすさまじく、しかも、その登場頻度もまたすさまじく。
ドラマを見ていればいつの間にか覚えることができるかも?というぐらい 【어쩌다】 はドラマの中の会話にもたくさん出てきます!
満を持しての紹介だけに、かなりの長文ですが、ぜひご一読ください。
ネイティブがよく使う韓国語【어쩌다】とは?
【어쩌다】 は、動詞でもあり、形容詞でもある単語です。しかも、 【어찌하다】という動詞の縮約形でもあるのです。
でも、実際の会話ではオリジナルの 【어찌하다】 は影を潜め、圧倒的に 【어쩌다】 が存在感を見せているように思います。
動詞としての【어쩌다】 は、「どのようにする」と言う意味を持っています。
そして、形容詞としての【어쩌다】は、「どんなだ」という意味になります。
そして、会話の中では「どのようにする」とか「どんなだ」という意味をもとにしつつ、いろんな形でいろんな意味で使われています。
すごい量になりますが、 【어쩌다】 のオンパレード、ご紹介してみたいと思います。
어쩌지 / どうしよう?
まず、シンプルに語幹に【-지】を付けた形。意味は「どのようにする?」、もっとシンプルに「どうする?」と言うニュアンスです。
ドラマでよく出てくるのが次の文です。「さて、どうする?」という感じです。
우리 이제 어쩌지?
(さて、私たちどうする?)
次の文は、もう定番中の定番表現です。「申し訳なさ過ぎて・・・どうしたものかね」というニュアンスです。
미안해서 어쩌지?
(申し訳なくてどうしよう)
어쩌나 / どうしようかと・・
次は、【-나】をつけた形です。
意味は「どうしよう?」となります。【어쩌나?】と単独で使われることも多いですが、他にもいろんな表現とセットで使われることが多いです。
【걱정이 되다】とセットで「どうしようかと心配だ」という意味に。
관광객이 줄어들면 어쩌나 걱정이 돼요.
(観光客がへったらどうしようかと心配です)
【하다】を付けて【어쩌나 하다】。「どうしようかと思う」というニュアンスで。
맛이 없으면 어쩌나 했는데 생각보다 맛있었어요.
(おいしくなかったらどうしようかと思いましたが、思いのほか美味しかったです)
【-싶다】(~かなあ)を付けて【어쩌나 싶다】。「どうしようかなと思う」というニュアンスで。
결과가 안 좋으면 어쩌나 싶었는데 괜찮았어요.
(結果がよくなかったらどうしようかと思いましたが大丈夫でした)
어쩌다가 / ①偶然にも、ひょんなことから ②たまに
次は、語幹に【-다가】をつけた【어쩌다가】という形です。 【어쩌다가】 には、2つの意味があります。
①偶然にも、ひょんなことから
1つめは、「偶然にも」「ひょんなことから」という意味です。意図せず、そういう結果になった・・・という時に使われます。
잘 안 맞는 두 명이 어쩌다가 같이 일하게 됐어요.
(あまり合わない2人がひょんなことから一緒に仕事をすることになりました)
【어쩌다가】に、【보니까】を付けた【어쩌다 보니까】は、定番表現です。意味は同じく「偶然にも」「ひょんなことから」です。
취미로 시작한 게 어쩌다가 보니까 직업이 됐어요.
(趣味として始めたことが偶然にも職業になりました)
②たまに
【어쩌다가】 の2つめの意味は「たまに」です。かなり少なめの頻度を表すときに使われます。
【어쩌다가】 だけでも、「たまに」という意味で使われますが、【 어쩌다가 한 번 】という表現が定番として使われています。
우리 가족은 어쩌다가 한 번 외식해요.
(我が家はたまに外食をします)
비싸지만 어쩌다가 한 번 오기에 좋은 곳 같아요.
(高いですが、たまに来るには良い場所です)
어쩌면 / ①どうすれば ②ひょっとしたら ③なんで?どうして?
次は、【-면】を付けた【어쩌면】 も重要表現です。なんと、3つの意味があります。
①どうすれば
まずは、「どうすれば」という意味です。【어떻게 하면】(どのようにすれば)と同じ感覚で使えます。
어쩌면 좋을지 모르겠어요.
(どうすればよいのか分かりません)
②ひょっとしたら
次は、「もしかしたら」「ひょっとしたら」という意味です。
어쩌면 마지막 기회가 될지도 모르겠어요.
(ひょっとしたら最後のチャンスになるかもしれません)
저도 어쩌면 잘 할 수 있겠다는 생각이 들었습니다.
(私ももしかしたらうまくできるかもしれないと思いました)
③なんで?どうして?
最後は「なんで?」「どうして?」という意味です。
自分自身に対しての疑問、独り言のように使われることが多いです。
例えば、すごい大好きな俳優さんがいて、その俳優さんが出ているドラマを見ていて、ふと「なんで、こんな格好いんだろう?」って呟いてしまうような時に、このように。
어쩌면 이렇게 잘 생겼을까?
(なんでこんなに格好いいのかな?)
太ってばかりの自分に「なんで、太るんだろ?」と自問してみる時には、次のように。
어쩌면 살이 이렇게 계속 찌는지….
(何で太り続けるのか・・)
어쩐지 / ①なんとなく ②どうりで
次は、ちょっと形が変わって【어쩐지】と言う形です。2つの意味があります。
①なんとなく
1つ目は、「なんとなく」「なんでか分からないけど」という意味。特に理由はないけれど、そう感じる、そう思う時に使います。
어쩐지 마음에 걸려요.
(なんとなく気になります)
어쩐지 좋은 일이 생길 것 같아요.
(なんとなく良いことが起こりそうな気がします)
②どうりで
2つ目は、相手の話を聞いて「どうりでね」「なるほどね」と納得する時に使います。
A: 미경 씨는 미국에서 자랐대요.
B: 어쩐지 영어 발음 좋더라.
(ミギョンさんは、アメリカで育ったんだって。どうりで英語の発音がよかったわけだ)
A: 그 배우 알고 보니 미스코리아 출신이었다고 해요.
B: 어쩐지 예쁘더라.
(その俳優は実はミスコリア出身だったんだって。どうりできれいなわけだ)
어쩌라고요? / どうしろって?
次は、相手に対してちょっとイラっとした時に使う表現【어쩌라고요? 】です。
【-라고】は、命令の意味(~するように)があります。なので、 【어쩌라고요? 】 を直訳すると「どのようにしろって?」になります。
相手があれこれ口出しするけど、こちらももう状況が分からなかったり、できることがなかったり、どうしようもないっていうとき、「どうしろってのよ?」と怒る場面、ドラマでもよくありますよね。
나보고 어쩌라고요?
(私にどうしろって?)
그래서 어쩌라고요?
(だから、どうしろって?)
어쩌란 말이냐? / どうしろって?
【어쩌라고요? 】 と同じニュアンスの表現【 어쩌란 말이냐? 】も有名です。
直訳すると「どのようにしろっていう言葉なのか?」になりますが、意訳すると「どうしろって?」です。
나도 아무것도 모르는데 어쩌란 말이냐?
(私も何も知らないのにどうしろって言うわけ?)
이제 와서 어쩌란 말이냐?
(今になってどうしろってのよ)
어쩐+名詞 / 何の+名詞
次は名詞を修飾する形【어쩐+名詞】です。セットで使われる名詞は【일】(用事)、【짓】(仕業、ふるまい)などです。
ドラマでよく耳にするのがこちらの2つの文。予想もしてなかった人が突如現れたときに「なんでここに来たの?」と言うニュアンスで使われています。
어쩐 일로 오셨어요?
(何の用事でいらっしゃったんですか)
여기 어쩐 일이세요?
(ここに何の用事ですか?)
【짓】(仕業、ふるまい)をくっつけた【어쩐 짓】もよく耳にします。【짓】は、悪いニュアンスがある言葉なので、非難をするときによく使われます。
당신 딸이 나한테 어떤 짓을 했는지 알아요?
(あなたの娘が私にどんなふるまいをしたか知ってますか)
어쩔 수 없다 / どうしようもない
【어쩌다】をつかった最も有名な表現が、【어쩔 수 없다】ではないでしょうか。「どうしようもない」という意味で多用されます。
이번 일은 어쩔 수 없었어요.
(今回のことはどうしようもなかったんです)
어째서 / どうして?
最後は、【-서】を付けた【어째서】と言う形です。意味は「どうして?」となります。
「どうして?」と言えば、【왜】【어떻게】も同じように「どうして?」という意味で使われますが、【어째서】は、なんとなく相手を非難する感じ、突き詰める、問い詰める感じがあります。
어째서 이렇게 됐어?
(どうしてこうなったの?)
뭐가 어째서 니가 참견이야!
(何がどうして、あんたが口出しするの)
あとがき
いかがでしたでしょうか?
すごい量の【어쩌다】を使った表現があるのがお分かりいただけましたでしょうか。
私も韓国で生活中、特に必死でこれらを覚えたつもりはないのですが、あまりにも耳にすることが多くて、自然に身についたかも?と言うぐらい、本当に頻繁に使われている単語です。
【어쩌다】 を制する者が、韓国語を制する!というのは大げさですが、でも、とっても大切な単語です。ぜひ、マスターして活用してみてください。