アンニョンハセヨ。韓国語ずきのゆきーたです。
音の響きから、何か嫌な感じ、なんとなくネガティブな雰囲気がする単語ってありませんか?
私にとって音からして嫌な感じがするなあと思った韓国語は形容詞の【괴롭다】です。発音は「ケロプダ」。理由は特にないのですが、響きからなんとなく悪者感を感じました。
実際、この【괴롭다】 は、「苦しい」「つらい」「面倒だ」といった正にネガティブな意味しかないのですが、この 【괴롭다】を基にした動詞があるのをご存じでしょうか?
それが、今回ご紹介する動詞【괴롭히다】です。
ネイティブがよく使う韓国語【괴롭히다】とは?
先に書いたように動詞の【괴롭히다】は、形容詞【괴롭다】が基になっています。
形容詞【괴롭다】の意味 は、「苦しい」「つらい」「面倒だ」です。
そして、動詞の【괴롭히다】は、 【괴롭다】 の状態にすることを意味します。
日本語に訳すなら、
・苦しめる
・悩ます
・いじめる
・困らせる
という感じです。
人が人を苦しめる、悩ます、困らせるという時に使うだけではなく、病気、自然災害、社会問題、悪い記憶・・・などなど、人以外の物、現象、事実が苦しめる、悩ます、困らせるという時にも使われます。
【괴롭히다】 は、発音に少し注意が必要です。
パッチム【ㅂ】の後に、【ㅎ】が来ているので、激音化が起こり、[괴로피다]となります。
「ケロピダ」という響き・・・なんとなく嫌らしい響きです。
ネイティブがよく使う韓国語【괴롭히다】の使い方
では、具体的にどのように使うのかをよく使われる活用や語末表現でみていきたいと思います。
へヨ体:괴롭혀요
まずは、シンプルにへヨ体です。
【괴롭히다】が面白いのは、状況に応じて 「いじめる」「悩ます」「困らせる」「苦しめる」 など、いろんな日本語に訳せるという点です。
いつもお母さんに心配ばかりかけたり、無理を言ったりしている弟については、「母を困らせる」というニュアンスで使うことができます。
동생이 엄마를 자꾸 괴롭혀요.
(弟がしょっちゅう母を困らせます)
「いじめる」というニュアンスでもOKです。
오빠가 자꾸 괴롭혀요.
(兄がやたらといじめます)
昔の嫌な記憶が思い出されて、苦しめられる・・・と言うような時にも使えます。
10년 전 기억이 자꾸 저를 괴롭혀요.
(10年前の記憶がしつこく私を苦しめます)
【그만+動詞】は、「いいかげん〇〇するのやめる」という表現ですが、この表現も 【괴롭히다】 とセットでよく使われます。
相手に「いい加減困らせるのはやめて」と言いたい時に次のように言います。(ドラマでよく聞くセリフです)
나를 그만 좀 괴롭혀요.
(私をいい加減困らせるをやめて)
へヨ体(過去形):괴롭혔어요
次は過去形です。
最近、よく目にするのが「悪質な書き込み」が 【괴롭히다】 という文です。
악플들이 그를 괴롭혔습니다.
(悪質な書き込みが彼を悩ませました)
人を苦しめるのは、人や物だけではありません。自然現象も 【괴롭히다】 で表現できます。
매서운 추위가 사람들을 더 괴롭혔습니다.
(厳しい寒さが人々をさらに苦しめました)
자연재해는 끊임없이 우리를 괴롭혔습니다.
(自然災害は途切れることなく私たちを苦しめました)
スポーツの話でも、 【괴롭히다】 が使われます。相手チームを苦しめる・・・という感じです。
한국 대표팀은 접전을 펼치며 상대팀을 괴롭혔습니다.
(韓国代表チームは接戦を繰り広げ相手チームを苦しめました)
~しないで:괴롭히지 마세요
「~しないでください」も、 【괴롭히다】と相性がよい表現です。
【더는】(これ以上は)、【자꾸】(やたらと、ひっきりなりに)、【제발】(お願いだから)といった副詞とセットで使われることが多いです。
더는 괴롭히지 마세요.
(これ以上苦しめないでください)
자꾸 괴롭히지 마세요!
(やたらと困らせないで!)
제발 괴롭히지 마세요!
(お願いだから困らせないで!)
~したら:괴롭히면
【-면】(~したら)も、 【괴롭히다】とよく一緒に使われます。
【-면 안 돼요】(~してはいけません)は、定番です。
엄마를 괴롭히면 안 돼요.
(お母さんを困らせてはいけません)
脅し(?)のセリフ【-면 가만 안 두다】(~したらただではおおかない)という表現と一緒にもよく使われます。
그를 괴롭히면 내가 가만 안 두겠어요.
(彼をいじめたら私が黙っていいませんよ)
自然保護を訴える人のセリフから。「地球をいじめたら」「地球を苦しめたら」=「地球を大事にしなかったら」というニュアンスです。
지구를 계속 괴롭히면 지구는 견디지 못할 것이다.
(地球をずっといじめたら地球は耐えることができないでしょう)
連体形
名詞を修飾する連体形もよく使われます。
現在形:괴롭히는+名詞
まずは、現在形の連体形です。 形は【괴롭히는+名詞】で 、「いじめる〇〇」「苦しめる〇〇」「困らせる〇〇」という訳になります。
저를 괴롭히는 사람이 학교에 있어요.
(私をいじめる人が学校にいます)
しつこく人を悩ませる病気やケガも 【괴롭히다】で表現することが多いです。
저를 괴롭히는 두통때문에 힘들어요.
(私を悩ます頭痛のせいでつらいです)
ごみ問題、騒音問題・・・いろいろと人を悩ます社会問題にも 【괴롭히다】 が使えます。
지역 주민을 괴롭히는 쓰레기와 소음 문제는 어떻게 해결할 수 있을까요?
(地域住民を悩ますごみと騒音問題はどのように解決すればいいでしょうか)
過去形:괴롭힌+名詞
次は過去形の連体形です。形は【괴롭힌+名詞】で、 「いじめた〇〇」「苦しめた〇〇」「困らせた〇〇」 という訳になります。
우리 아들이 괴롭힌 아이 집 찾아가 부모님 앞에서 무릎 꿇었습니다.
(うちの子供がいじめた子の家に行き、ご両親の前で跪いて謝りました)
설연휴 우리를 괴롭힌 초미세먼지, 내일 강풍이 몰아낸다.
(旧正月に、私たちを苦しめたPM2.5、明日は強風が追い払う)
우리를 괴롭힌 더위도 서서히 물러가고 있습니다.
(私たちを苦しめた暑さもゆっくり退いていきます)
未来形:괴롭힐+名詞
最後は未来形の連体形です。形は【괴롭힐+名詞】で、 「いじめる〇〇」「苦しめる〇〇」「困らせる〇〇」 という訳になります。
よく一緒に使われる名詞は【때】(時)、【생각】(考え)、【목적】(目的)などです。
원인을 알 수 없는 두통이 나를 괴롭힐 때 어떻게 하면 좋을까요?
(原因が分からない頭痛が私を苦しめるときどうすればいいでしょうか)
次のセリフは慣用表現のようによく使われる言い回しです。
直訳したら「どのようにしたら、私を苦しめる考えばかりするの?」。つまり、「 なんで私を困らせることばかりするの? 」「なんでいつも私を苦しめるの?」というニュアンスになります。
어떻게 하면 나 괴롭힐 생각만 해?
(なんで私を困らせることばかりするの?)
「わざとそんなことをしたんじゃないんです」という感じでよく使われているのが次の文です。
나는 너를 괴롭힐 목적으로 그것을 한 것은 아니었다.
(私はあなたを困らせる目的でしたんではないんです)
名詞化:괴롭힘
【괴롭히다】 を名詞化した【괴롭힘】という単語もあります。
「いじめること」「苦しめること」「悩ませること」「困らせること」という意味になり、【당하다】(~される)という動詞と一緒に使われることが多いです。
괴롭힘을 당했어요.
(いじめを受けました)
직장내 괴롭힘때문에 힘들어요.
(職場内のいじめのためつらいです)
あとがき
いかがでしたでしょうか。
決して良い意味のある単語ではないので、できれば使いたくはありませんが、「苦しめる」「悩ませる」というニュアンスで本当に使いまわしがきく単語です。
ぜひ、マスターして活用してみてください。