アンニョンハセヨ。韓国語ずきのゆきーたです。
今日は、ちょっと変わった品詞の単語を紹介しようと思います。
【온】という単語です。発音は「オン」。とってもシンプル。
けれど、この「オン」だけで、とても大事は働きをしてくれるのです。
ネイティブがよく使う韓国語【온+名詞】とは?
【온】は、品詞で言うと「限定詞」と言うものです。
「限定詞」って聞き慣れませんが、働きとしては「名詞や名詞句を修飾する」品詞です。
そして、【온】には、「すべて」「全部の」という意味があり、【온+名詞】の形で、「すべての〇〇(名詞)」「全部の〇〇(名詞)という意味を作ってくれます。
【온】+名詞と、【모든】+名詞の違い
「すべての+名詞」「全部の+名詞」と言う意味では、【모든+名詞】も有名です。
では、【온+名詞】と【모든+名詞】は同じかというと、そうではありません。
【모든+名詞】は、「個々の構成要素がそれぞれ全て」という意味で、英単語で表すなら【all】です。
모든 나라
※すべての国。韓国、アメリカ、日本・・・いろいろな国があって、そのそれぞれ全ての国というニュアンスになります。
一方、【온+名詞】は、「全体として丸ごと全て」という意味で、英単語で表すなら【whole】(全体の)です。
온 나라
※直訳すると「すべての国」になりますが、1つの国全体としてまるごとすべてと言う意味です。ニュアンスとしては「国中すべて」という感じになります。
ネイティブがよく使う韓国語【온+名詞】の使い方は?
【온】は、「名詞を修飾する」限定詞であるため、【온】の後には、必ず名詞が来ます。
どんな名詞にもつけていいのか?というと、そういうわけでもなさそうで、相性が良い名詞というのがあります。
相性が良すぎて1つの単語であるかのように使われている代表的な【온+名詞】を見ていきたいと思います。
온 국민:全国民
まずは、【온】+【국민】(国民)です。「すべての国民」「全国民」と訳すことができます。
온 국민이 즐기는 스포츠
(全国民が楽しむスポーツ)
온 나라:国中
続いて、【온】+【나라】(国)です。「すべての国」というよりは、「国中すべて、全体」というニュアンスです。
코로나가 온 나라를 힘들게 하고 있다.
(コロナが国中を苦しめている)
온 세계:全世界
【온】+【세계】(世界)もよく使われます。
漢字語の【전 세계】(全世界)と同じ意味になります。
그 뉴스는 온 세계를 놀라게 했다.
(そのニュースは、全世界を驚かせた)
온 몸:全身
【온】+【몸】(体)は、「体全体」「体中」という意味で使うことができます。
옴 몸이 아파요.
(体中が痛いです)
온 가족 / 온 식구:家族全員
【온】+【가족】(家族)は、「家族全員」という意味になります。
同じく「家族」を意味する【식구】を使っても同じ意味を表すことができます。
이 샴푸는 온 가족이 같이 사용하고 있어요.
(このシャンプーは家族みんなで使っています)
오랜만에 온 식구가 같이 먹으니까 더 맛있어요.
(久しぶりに家族みんなで食べたのでより美味しいです)
온 집안:家中、家全体
【온】+【집안】(家の中)は、「家中」「家全体」という意味で使うことができます。
모든 청소 도구를 동원해 온 집안을 청소했어요.
(すべての掃除道具を動員して、家中を掃除しました)
온 힘:全力
【온】+【힘】(力)は、「全力」になります。
【온 힘】に、動詞の【다하다】(尽くす)をつなげた表現【온 힘을 다하다】は、慣用的によく使われています。
온 힘을 다해 노력을 하겠습니다.
(全力を尽くして努力するつもりです)
온 동네:近所中
【온】+【동네】(近所)の組み合わせもよく登場します。
온 동네 사람들이 모였어요.
(近所中の人が集まりました)
온 마을:町中
「町」「村」と言う意味のある【마을】と一緒に使われることも。【온】+【마을】(町)で、「町中」。
”아이를 키우려면 온 마을 사람의 힘이 필요하다”라는 속담이 있어요.
(「子供1人を育てようとするなら、町中の人の力が必要だ」という諺があります)
あとがき
いかがでしたでしょうか。いろんな【온+名詞】があるのがお分かりいただけましたでしょうか。
今回紹介した【온+名詞】は、どれもほんとによく使うものばかりです。しかも、使い勝手も良くて、個人的には大好きな単語です。
ぜひ、マスターして活用してみてください。