アンニョンハセヨ、韓国語ずきのゆきーたです。
韓国語の勉強をして間もなく多くの方が【들】という助詞に出会うことになります。
初級では【들】は、「複数を表す助詞」と紹介され「~達」と言う意味として学びます。
でも、しばらく学習を続けている私の生徒さんからこんな質問をよく受けます。
「【들】って、「~達」ですよね?けど、ドラマを見ていると、「~達」って訳せないような場面にも【들】が使われていることが多いような気がするんですけど・・・・」
そうなんです、【들】は、単純に複数を表す以外にも、違う意味で使われることもあるんです。
つまり、【들】は2種類ある!ってことなんです。
今日は2つの【들】についてみていきたいと思います。
①複数を表す【들】
まず、1つ目の【들】。こちらは、有名な「複数を表す」【들】です。
日本語は複数を表す表現(例:人々、人たち)を使わないことも多いですよね。でも、韓国語は【들】をよくつけて複数をきちんと表現することが多いです。
강남에 사람들이 많아요.
(江南には人々が多いです)
複数を表す【들】は、単純に名詞の後ろに【들】を付ければできあがり、シンプルです。
②「みんな一緒に」「全員で」を意味する【들】
2つ目の【들】は、「みんな一緒に」「全員で」「みんなそれぞれ」と言う意味で使われます。
「みんな一緒に」「全員で」を意味する【들】は、名詞にだけではなく、副詞や動詞にもついてくるのが特徴です。
いろんな例文を見ていきましょう。
数えられない名詞+【들】
例えば、複数の人に対して「食事をしてください」と言いたい時。
【식사 하세요】(食事してください)と言ってももちろんOKです。
でも、【식사】の後に【들】をつけることで、「みなさん、食事してください」というニュアンスになるのです。
【들】を付けるだけで、話者の相手が一人ではなく、複数いて、その人たち全員に「みなさん」と言った感じで語り掛けているニュアンスが出てくるのです。
식사들 하세요.
(みんなで食事をしてください)
以下に、よく使われる例文をあげてみました。
どれも名詞についていますが、複数を表す【들】が1個、2個と数えられる名詞についていたのに対して、「みんな一緒に」「全員で」を意味する【들】は、数えられない名詞もつけられます。
너무 염려들 마세요.
(皆さん心配しないでください)
준비들이나 하세요.
(皆さん準備をしてください)
수고들 했어.
(皆さん、おつかれさま)
생각들 해 보세요.
(皆さん、考えてみてください)
거기서들 그러고 있지 말고 일단 들어와요.
(みんな、そこでそんな風にしてないで、一旦、入ってよ)
거기서들 뭐해요?
(みんな、そんなところで何しているの)
副詞+【들】
「みんな一緒に」「全員で」を意味する【들】は、副詞にもつけることができます。
この場合にも、そこにいるみんな、全員に対して話してますよというニュアンスを出すことができます。
빨리들 하세요.
(みなさん、早くしてください)
재미있게들 하네.
(みんな、楽しくやってるね)
잘들 지내요?
(みなさん、よくお過ごしですか)
편히들 먹어요.
(みんな、ゆっくり食べてね)
動詞+【들】
動詞につく場合には、【~고】【~서】(~して)という表現とセットで使われることが多いです。
일단 여기 와서들 앉아요.
(みんな一旦ここに来て座りましょう)
여기 앉아서들 얘기해요.
(みんな、ここに座って話しましょう)
먹고들 해요.
(皆さん、食べてからしましょう)
※2つの【들】の比較
最後に、2つの【들】が入る位置で意味が変わってくる場合があることを見ていきたいと思います。
① 이 책들 읽고 오세요.
(これらの本達を読んで来てください)
② 이 책 읽고들 오세요.
(この本を全員読んで来てください)
①は、数えられる名詞【책】の後ろに【들】がついています。これは、単純に複数を意味するので「こら複数の本」を読んで来なさいという意味になります。
一方、②は、動詞【읽고】の後に【들】がついています。こちらの場合には、本は1冊ですが、その1冊の本を「全員が読んできてください」という意味になります。
あとがき
いかがでしたでしょうか。
全く同じ単語ですが、使い方がちょっと違います。
しかも、「みんな一緒に」「全員で」を意味する【들】は、訳として出しにくいですが、ニュアンスとして「みんなに言ってるよ!」という感じを出すという、地味な働きをしているので、なかなか理解しづらいです。
でも、どちらの【들】も、韓国語会話ではよく登場しています。
ぜひ、マスターして活用してみてください。