アンニョンハセヨ。韓国語ずきのゆきーたです。
今回は、多くの韓国語ネイティブの口癖になってるかも?とおもうぐらい、よく耳にする単語【난리】を紹介したいと思います。
ドラマにも頻繁に登場する単語なので、耳にしたことがある方も多いはず。
いろんな使い方ができる便利な単語なので、ぜひマスターしてみてください。
ネイティブがよく使う韓国語【난리】とは?
【난리】の意味
【난리】は、漢字で書くと「亂離」です。
「亂離」の意味は、「世の中が動乱状態に陥って、人々が離れ離れになってしまうこと」だそうです。
それだけ見るとすごい意味なのですが、実際の使い方はそんな大それたことではなく、
・パニック
・ごたごた
・大騒ぎ
・大騒動
・大興奮
・大事件
といったニュアンスです。
【난리】の発音
【난리】は、そのまま読むと「ナンリ」ですが、流音化という発音変化があり、[날리](ナㇽリ)となります。
ネイティブがよく使う韓国語【난리】の使い方は?
では、具体的に【난리】の使い方を見ていきましょう。
動詞【나다】(生じる、出る)とセットで使う
【난리】は動詞の【나다】(生じる、出る)と一緒に使われることが多いです。
「騒動が起きた」「パニックになった」「大騒ぎになった」というニュアンスになります。
난리 났어요.
(騒動が生じました=大騒ぎになりました)
【나다】に、語末表現【~네】(~だね)をつけた形も多く使われます。
例えば、私の韓国人の同僚は誰かと誰かが言い争いを始めると、それを見て、こっそりとこう言ってました。
난리 났네.
(ひと騒ぎはじまったね)
コロナの時代、マスクをしてないと、何かと厄介なことが起こりそう。そんな状況もこうやって表すことができます。
마스크 안 쓰고 있으면 난리 나요.
(マスクをしないでいたら、大騒ぎです)
インターネットで炎上して、大騒ぎになったときにも使えます。
인터넷에서 난리 났어요.
(インターネットで大騒ぎになりました)
芸能人が現れたり、何か新しい商品が発売されての大騒ぎになったときにも使えます。
BTS로 난리 난 인도네시아
(BTSで大騒ぎになったインドネシア)
「大興奮」「パニック」と言う意味でも使えます。
다들 그 노래를 듣고 난리 났어요.
(みんな彼の歌を聴いて大興奮でした)
집 천장에 물이 새서 난리 났어요.
(天井から水がもれて大パニックでした)
疑問詞【왜】(なんで)とセットで使う
疑問詞【왜】とも相性がよく一緒に使われることがとっても多いです。
相手を非難するときのセリフにたくさん登場します。
왜 이렇게 난리야?
(なんでこんな騒ぎなの?何をそんなに騒いでるの?)
당신 돈도 아닌데 왜 난리야?
(あなたのお金もないのになんで大騒ぎなの?=なんで口うるさく言うの?)
아무것도 모르면서 왜 난리냐?
(何も知らないくせに何で騒ぐの?=何も知らないくせにうるさく言わないで!)
【왜+動詞+고+난리야】という表現もよく使われます。
直訳すると、「どうして〇〇して、大騒ぎなの?」という意味ですが、「どうして〇〇してるわけ?〇〇しないでよ」というニュアンスを伝えることができます。
왜 화를 내고 난리야?
(なんで怒って騒いでるの?=なんで怒ってるわけ?怒らないでよ)
왜 반말을 하고 난리야?
(なんでため口を使って大騒ぎしているの?=なんでため口なわけ?ため口使わないでよ)
応用編:ネイティブがよく使う韓国語【난리】の慣用表現
さらに応用バージョンも見ていきましょう。
動詞【치다】とセットで使う
動詞【치다】は、いろんな意味がある動詞です。
そして、【치다】を悪い意味の名詞とセットで使うと、その悪いことを「する」「起こす」という意味で使われます。
その【치다】と【난리】を組み合わせて、【난리 치다】とすると「騒ぎをおこす」「騒ぐ」というニュアンスで使うことができます。
私の知る限り、この【난리 치다】は、【~지 말고】(~しないで)と一緒に使われる場合がほとんどです。
そして、【난리 치지 말고】=「大騒ぎしないで~」という意味で使います。
제발 술취했으면 난리 치지 말고 집에 가라.
(頼むから酔っぱらったら、騒ぎを起こさないでさっさと家に帰れ)
난리 치지 말고 일단 기다려 보자.
(大騒ぎしないで、一旦待ってみよう)
反語的な使い方
【난리도 아니다】という表現もとても多く使われます。
直訳は「大騒ぎでもない」です。
でも、反語的な感じで使われ、「ただの騒ぎではない=本当に大変な騒ぎだ」という意味になります。
요즘 코로나 때문에 난리도 아니다.
(最近はコロナのせいでただの騒ぎではない=大騒ぎだ、大変だ)
새벽에 배 아프다고 소리지르고 난리도 아니었어요.
(夜中にお腹が痛くて泣き叫んで、ただの騒ぎではなかった=大騒ぎだった、大事件だった)
最後に紹介するのは、年配の方がよく口にする表現です。ドラマの中でもおばあさんがちょこちょここのセリフを言っています。
6.25때 난리는 난리도 아니다.
(朝鮮戦争の時の騒ぎは大した騒ぎではない)
【6.25때 난리】というのは、朝鮮戦争のことです。
直訳すると「朝鮮戦争は大騒ぎではない」となるこの文、どういう場面でこれを使うかというと・・・
何か生活の中ですごい騒動、事件があったとき、「これは大変。この騒動に比べたら、朝鮮戦争は大した騒ぎではない。それぐらい、これは大変な騒動だ」と、ちょっと大げさにびっくりするときに使われる表現なのです。実際は、戦争より大変な騒動ってないはずなので、これはちょっとした皮肉を交えた表現と言えます。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
私もこの【난리】を韓国滞在中、どれだけ口にしたかわかりません。
ちょっとした騒ぎにも【난리야, 난리】なんてふざけて騒ぎ立てていたことも多かったです。
小さな騒動から、大きな騒動まで、とにかく何らかの騒ぎ、興奮、パニックにはこの単語が最適です。
ぜひマスターして活用してみてください。