アンニョンハセヨ。韓国語ずきのゆきーたです。
韓国語の勉強の最終目標として「ハングル検定1級」を掲げている方も多いかと思います。
とにかくありとあらゆる分野の語彙が出てくる「ハングル検定1級は」は、語彙力をいかにつけるかが勝負です。
そのためには、とにかく毎日、難易度の高い韓国語に触れ続けることが重要です。
そこで、今回は、「ハングル検定1級」合格対策に効果的なリーディング勉強法をご紹介したいと思います。
韓国語の新聞
「ハングル検定1級」の問題には、難解な語彙がたくさん出てきますが、その多くが、いわゆる漢字語になります。
多くの漢字語由来の韓国語単語に触れることができ、慣れることができるのはやはり新聞です。
うれしいことにオンラインでいくらでも読むことができますので、学習に利用しないのはもったいないです。
社説を読む
では、数ある新聞記事の中のどの部分を読むかというと、私はとにかく「社説」をよむことをお勧めします。
理由は、2つ。
まず、「社説」は、経済、社会、外交、文化・・・いろいろな分野のネタが扱われます。なので、自分の好みで偏った分野の記事ばかりを読んでしまうということが起こりにくいです。
いろいろな分野のネタを読むことで、いろいろな分野の単語にも触れることもできます。
そして、2つ目の理由は、どの記事を選ぶか迷う時間が省略できます。新聞には本当に数多くの記事があり、どの記事を読むか迷ってしまうと時間のロスです。
社説は毎日掲載されているので、揺らぐことなく「ここを読む!」と決め、ささっと読みに入れるというのはかなりのメリット。学習の習慣化に適しています。
社説の日→韓訳をする
リーディング教材として活用できる新聞ですが、他にも使い方があります。それは日→韓の翻訳訓練です。
韓国の代表新聞「朝鮮日報」「東亜日報」「中央日報」は、韓国語のみならず、日本語版もオンラインで読むことができます。
私がよくやっているのは、日本語版の社説を自分で韓国語に翻訳をする訓練です。
この作業を通して、どういう日本語が韓国に訳せないのかを知ることができます。
そして、自分が訳した韓国語の翻訳文と、オリジナルの韓国語記事を比較することで、自分の表現の未熟さを実感できます。
どんな感じか、朝鮮日報のある日の社説の一部を例として紹介します。
まずは、日本語版。
もう一つの懸念されるのは、政府の防疫の「穴」が頻繁に発覚していることだ。英国で発生した変異ウイルスの感染者が韓国で初めて見つかったのは昨年末のことだ。ところが、防疫当局は2カ月近くたち、変異ウイルス感染者が100人近くなるまで、変異ウイルスかどうかの検査期間が5-7日かかる「ノロノロ検査」に固執、今になってやっと検査期間を短縮する案を推進するという。防疫段階を引き上げることばかり考えるのではなく、このような不備がほかにもないのか、点検することの方が先だ。
朝鮮日報 日本語版社説より
「防疫の『穴』」、「ノロノロ検査」、「不備」・・・こういう単語をどのように韓国語に訳せばいいのか?この訓練は、「ハングル検定1級」のライティング対策にうってつけです。
そして、次が先ほどの記事のオリジナル、つまり韓国語版。
또 하나 우려스러운 것은 정부의 방역 허점이 자꾸 드러나고 있다는 점이다. 국내에서 영국발 변이 바이러스 감염자가 처음 나온 것은 지난해 말이다. 그런데 방역 당국은 두 달 가까이 지나 변이 감염자가 100명에 육박할 때까지 변이 여부 검사 기간이 5~7일씩 걸리는 ‘거북이 검사’를 고수하다가 이제야 검사 기간을 줄이는 방안을 추진하는 것으로 나타났다. 방역 단계를 높일 생각만 할 것이 아니라 이런 미비점이 더 없는지 점검하는 것이 먼저다.
朝鮮日報 韓国語版社説より
「防疫の『穴』」は、【방역 허점】、「ノロノロ検査」は、【거북이 검사】、「不備」は【미비점】という韓国語が使われていて、とても勉強になります。
韓国語版と日本語版がある韓国語の新聞
朝鮮日報
韓国語のオピニオンページ(社説もこの中に含まれています)
東亜日報
中央日報
韓国語の文学作品を読む
小説を読むのも「ハングル検定1級」にはうってつけです。新聞が漢字語を学ぶ場としたら、小説は、固有語を学びやすい素材です。
小説は小説でも、例えば、日本語の小説の韓国語翻訳版は、翻訳文だけに語彙が平易な傾向が強いので、おすすめできません。
また、現代的な軽いタッチの小説も「ハングル検定1級」語彙の増強には役不足感があります。
なので、私は、ちょっと古めかしい文学作品で鍛えることをおすすめしています。
中でもお薦めなのはこの2つ。
韓国国民におなじみの小説ばかり集めた短編集
韓国人ならだれでも知っている文学作品というのがあります。
『소나기』とか『사랑방 손님과 어머니』といった教科書にでてくる作品がそれにあたります。
そういう韓国人なら一度は読んだことがある「純文学」小説は、やはり単語が古めかしかったり、難しかったり、辞書が手放せず、しんどいです。でも、「ハングル検定1級」に出てきそうな単語ばかりなんです。
なので、鍛えるつもりで、こういう小説を読むのは本当におすすめです。
特に、短編がおすすめです。あまりに長いと、終わりが見えてこず、モチベーション維持が難しいので。
ちなみに私が持っているのは『한국인이 사랑하는 단편소설 24선』という本です。24個の短編小説が含まれていて、読むのにかなり時間がかかるものもあります。

ですが、『한국인이 사랑하는 단편소설 24선』ということは、「韓国人なら普通に読める」ってことでもあり、ということは「これぐらい読めないとダメという意味なのね」と気合が入ります。
他にも、「中高生が必ず読まなければいけない短編小説」、「青少年が必ず読むべき短編小説」というタイトルで、有名な短編文学作品を集めた本がたくさん売られているので、ぜひ「ハングル検定1級」対策として活用してみてください。
韓国を代表する小説家の本
どういう小説を選ぶか・・・先ほどの短編集を読むのも良いですし、「韓国語代表する作家」の作品を選ぶのも1つの方法です。
私の頭の中にはこういう理論があります。
「韓国を代表する作家」→「韓国の人がたくさん読んでいる本を書いている」→「韓国の人がたくさん読んでいる本というのは、韓国語ネイティブなら普通に読める本」
この「韓国語ネイティブなら普通に読める」というのが、ハングル検定1級が目指すところだと思うのです。
実際、「韓国語代表する作家」の文学作品には、「ハングル検定1級」に出てきそうな単語がたくさん登場します。
例えば、著名な作家、이문열(李文烈)氏の有名作品『우리들의 일그러진 영웅(我らの歪んだ英雄)』は、読みごたえもあり、試験対策にもってこいです。

他にも、박완소, 최인호といった大御所作家さんたちの本を私は読んで鍛えられました。
あとがき
以上、私なりの「ハングル検定1級」のリーディング対策勉強法をまとめてみました。
「ハングル検定1級」は対策本もあまりなく、どうやって勉強すれば?と途方に暮れてしまいがちです。でも、新聞、小説を利用すれば、試験対策につながります。
また、新聞も小説も、試験対策というだけではなく、韓国文化を知るにも、純粋に小説を楽しむという意味でもメリットもあります。
ぜひ参考にしてみてください。