アンニョンハセヨ。韓国語ずきのゆきーたです。
韓国語の学習者が増えて、韓国語の試験に対する注目度も高くなっているようです。
私は2003~04年頃に、試験を受けまくり、TOPIK6級(ちなみに、その当時は「韓国語能力試験」という呼び名しかありませんでした)、ハングル検定1級に合格し、通訳案内士・韓国語の資格も取りました。
2003年~04年というと、かれこれ20年近く前の話で、その間に試験の内容も改訂がされていたりするので、胸を張って「合格しました!」って言っていいのか、微妙だなとは思うのですが・・・何かの参考になればと思い、試験について書くことにしました。
今回お話しようと思うのは、「ハングル検定1級」についてです。
韓国語学習者の数が増え、それにつれて、レベルもすごく上がってきているのを感じます。
その結果、ハングル検定1級を目標に勉強されている方も多いと思います。
ご存じの方も多いと思いますが、「ハングル検定1級」は、かなり難易度が高く、狭き門ではあります。
でも、地道にやれば手が届かないわけではありません。
ということで、狭き門の「ハングル検定1級」がどんなもんなのかについてみていきたいと思います。
ハングル検定1級の難しさ
「ハングル検定1級」は、TOPIKの最高レベルである6級の上の、さらに上と言えるかと思います。
公式HPでは、「幅広い場面で用いられる韓国・朝鮮語を十分に理解し、それらを自由自在に用いて表現できる」レベルと記載されていますが、正にその通りで、どんな韓国語でもちゃんと理解できるレベルが求められます。
では、具体的にその難しさについてみていきます。
韓国人でも難しい?
冗談で「ハングル検定1級は、韓国人でも難しい」なんて言われたりもしていますが、実際は、やはり韓国人にとっては「普通に理解できる単語や文」が出てきていると思います。
確かに、長文の内容も、聞き取りの内容も、どれも堅苦しいというか、論文のようなものが多いです。もしくは、すごく詩的な表現が使われている文もあります。日常会話レべルからは完全に外れています。
でも、ハングル検定1級の試験に出てくる単語は、韓国の新聞やニュースにわんさか出ています。普通に使われています。
なので、難しいことは難しいけれど、韓国人の実生活で使われていないわけではないレベルなのです。
ありとあらゆる韓国語を網羅
では、ハングル検定1級を難しくさせている要因は何なのか?というと、ありとあらゆる種類の語彙が出てくることでしょうか。
文法より、とにかく語彙に苦戦させられます。
難解な漢字語はもちろんたくさん出てきます。かと思えば、韓国の固有語もたっぷり出てきます。
慣用句、四字熟語、ことわざも必ず出てきます。
擬態語、擬声語も、攻めてきます。しかも、似通ったような擬態語、擬声語が出てきて、もう何が何だか分からなくなります。
とにかくあらゆる方向から語彙力をためしに来てる感じがプンプンします。
必要な単語数は未知数
というわけで、ハングル検定はもう「語彙力勝負だ!」と言っても良いぐらいなのですが、じゃあどれぐらいの単語数を知っていればいいのかというと、不明です。未知数です。
辞書1冊丸覚えてして、試験に臨んでもいいぐらいの単語力が求められている気がして仕方ありません。
難しい日本語も翻訳できないとダメ
ハングル検定1級のライティングも難しさの要因です。
日本語の慣用句やなんとも訳しづらい表現(例:僭越ながら、持ちつもたれる etc)を訳して、自然な韓国語を書き上げないといけないというのは、かなりの実力が必要になります。
試験対策テキストがあまりない
さらに1級合格を阻む要素は、試験対策本が少ないということです。唯一あるのが、試験の主催団体から発行されている『トウミ上級編』という単語のテキストです。
でも、過去問と比べてみる限り『トウミ上級編』でもハングル検定1級の語彙は網羅できていません。
『トウミ上級編』はあくまで上級レベル対象で、2級用の単語も含まれています。ですので、2級受験者には役立つかもしれませんが、1級受験者には役不足です。
ハングル検定1級合格のためにできること
では、もう太刀打ちできないのか?というとそんなことはなく、とにかく地道にやっていけば道が開けます。
具体的に私がやったことを、書いてみますね。
新聞の「社説」と「文学作品」をひたすら読む
とにかく読んで、語彙をインプットすることが大切です。
読むといえば、やはり「新聞」。私は新聞の社説欄を欠かさず読みました。毎日読む欄をきめておくと「どこ読もうかしら?」という迷う時間も不要です。
また、社説は、経済、社会、政治、外交・・・いろんなネタが扱われるので幅広い内容の語彙に触れることができます。
とにかく、新聞は漢字語の語彙を増やすのに抜群です。
そして、「小説」も大切です。
韓国の軽いタッチのエッセイや、日本語の小説の韓国版などはあえて避けます。
いわゆる「文学小説」を読むのが、1級対策にはおすすめです。「文学小説」には、1級に出てきそうな古めかしい語彙や難しい語彙がたくさん出てきますので、かなり鍛えられます。
「韓国のニュース」と「時事ネタのラジオ」をひたすら聞く
リスニングの王道はやはりニュースですね。
NHKのワールドニュースは手っ取り早く聞けますが、日本語から訳した感じが強く、1級検定対策にはおすすめではありません。
やはり韓国の放送局のものが良いかなと思います。
他に、大統領の演説もよく聞きました。
あとは、ラジオ番組もおすすめです。
社会問題、経済問題を扱っていて、しかも聞いてて楽しめる番組もあるので、そういうものが1級の語彙力UPには役立つと思います。
韓国語の新聞の「日本語版」を韓国語に訳す
読むだけではインプットで終わってしまいますので、アウトプットも必要。
私は「日→韓」の翻訳もよくやっていました。
韓国の新聞「東亜日報」と「朝鮮日報」は、日本語版もオンラインで読むことができます。
なので、その日本語版の「社説」を韓国語に自分で訳します。そして、その後、オリジナルの韓国語の文と自分の文を比較して自分の出来具合を確認するという作業をやっていました。
かなりしんどいですが、とっても効果ありです。
過去問を繰り返す
最後は、やはり過去問にすがることです。
単語数は未知数とはいえ、やはり過去問をすることで傾向は見えてきますし、出題された単語がまた出てくることもあるわけです。
なので、どの問題も正解できるようになるまで、繰り返し過去問をすることはとても大切な作業です。
以上、私なりの「ハングル検定1級」分析です。
リーディング対策について、こちらの記事に具体的に書いてあります。
何か少しでも参考になることがあれば、うれしいです。ありがとうございます。