アンニョンハセヨ。韓国語好きのゆきーたです。
言葉は生き物で、次から次に新しい言葉がどんどん出てきます。
インターネットの世界からも、どんどん新しい単語が作られて生まれてきます。
でも、しばらく使われたものの消えさえる単語もあれば、完全に定着して、まるで以前からあったかのように存在している単語もあります。
今回は、韓国のネットの世界から生まれ、息が長く使われ、すっかり定着している【지름신】を紹介したいと思います。
ネイティブがよく使う韓国語【지름신】とは?
【지름신】の意味は「衝動買いの神様」!?
【지름신】の読み方は「チルㇺシン」。
意味は、なんと「衝動買いを引き起こす神様」なのです。
どういうことなのか、その成り立ちから見てみましょう。
【지름신】は2つの単語が組み合わさってできています。
【지름】(動詞【지르다】の名詞形)+【신】=「神」。
【지름신】の誕生背景
動詞【지르다】には、本当にたくさん意味があるのですが、その中で「賭け事で、お金や物を賭ける」という意味があります。
この、【지름신】もともとは、賭け事要素があるゲームで、「賭けのチャンスを購入する」という意味で使われたのが初めだそうです。
その後、オンラインゲームで広く使われていくようになったんだとか。
そこから変容し、最近では「計画していない消費行動をする」という意味にも広く使われるようになったんだそうです。
衝動的に買う様子を、まるで「神が降臨して」霊などがとりついているかのような状況にたとえ、「自らコントロールできない購買意欲」を表現するようになったというわけです。
ネイティブがよく使う韓国語【지름신】の使い方
もともとはオンラインゲームの世界から誕生した【지름신】ですが、今では日常的に普通の会話でも使われています。
具体的にどのように使われているか見ていきます。
【오다】とセットで使う
動詞の【오다】(来る)と一緒に使って、「衝動買いの神が来る」と表現します。
意訳すると、「衝動買いしたくなる」「衝動買いしたい気持ちが生じる」などでしょうか。
그냥 지나가려고 했는데 역시 지름신이 왔어요.
(ただ通り過ぎようとしましたが、やはり衝動買いしたくなりました)
옷 매장에 올 때마다 지름신이 와요.
(服売り場に来るたびに、衝動買いしたい気持ちが生じます)
【내리다】とセットで使う
動詞の【내리다】(降りる)もセットでよく使われます。
「衝動買いの神が降りてくる」ということで、やはり「衝動買いしたくなる」「衝動買いしたい気持ちが生じる」というニュアンスです。
저는 빵집에서 지름신 내려요.
(私はパン屋さんで衝動買いしたくなります)
이렇게 예쁜 것들을 많이 보니까 저도 모르게 지름신 내려요.
(こんなにかわいいものをたくさん見たら、気づかぬうちに衝動買いしたくなります)
【강림】とセットで使う
「神様」という単語のふさわしく、神が天から人間世界に降り立ったということで【강림】(降臨)とセットで使われることもとても多いです。
やはり「衝動買いしたくなる」という意味になります。
현대백화점에서 지름신 강림했어요.
(現代デパートで衝動買いの神が降臨しました=デパートで衝動買いしたくなりました)
지름신 강림하게 만드는 예쁜 구두들
(衝動買いの神様を降臨させるかわいい靴=衝動買いしたくなる靴)
지름신 강림한 폭풍쇼핑
(衝動買いの神様が降臨した爆風ショッピング=衝動買いショッピング)
비싸서 못사고 있다가 세일하길래 바로 지름신 강림했어요.
(高くて買えずにいたけれど、セールをするというので、すぐに衝動買いしたくなりました)
いかがでしたか?
衝動買いしたい欲求を、「衝動買いを引き起こす神様」の「降臨」に例えるなんておもしろいですよね。こういう表現は俗っぽい感じもありますが、会話でどんどん使えると楽しくなりそうです。
ちなみに私は、ドラマ『愛の不時着』関連のもの(ヒョン・ビンのカレンダーとか、写真集とか)を見る度に【지름신】がやってくるので、なんとか神を眠らせようと必死です。
みなさんも「衝動買いしたい」という気持ちを表すときは、ぜひこの【지름신】を活用してみてください。