ネイティブがよく使う韓国語【그윽하다】をマスターする。

便利な形容詞・副詞

アンニョンハセヨ。韓国語好きのゆきーたです。

日本でも大人気のドラマ『愛の不時着』。私もドはまりしています。

『愛の不時着』でこんなセリフがやり取りされる場面があるのですが・・・御覧になった方、覚えていらっしゃいますか。

ユン・セリ
ユン・セリ

그렇게 그윽하게 보지 마요.

(そんなに그윽하게みないで)

リ・ジョンヒョク
リ・ジョンヒョク

오해가 있나 본데. 그냥 본 거요.

(誤解があるようだ。ただ見ただけです)

ユン・セリ
ユン・セリ

아닌데. 방금 아주 잠깐이었지만 엄청 그윽했는데?

(そんなことない。さっきもほんの少しだったけれど그윽했는데).

ユン・セリ
ユン・セリ

봐, 지금도 계속 그윽하게 보고 있는데?

ほら、今もずーっと그윽하게見てるじゃない)

ここで出てくる、【그윽하다】という単語、私は今まで一度も自分自身が口に出して使ったことはありません。でも、小説を読んだり、雑誌の記事を読んだりするとちょこちょこお目にかかります。

詩的というか、抒情的なイメージがある単語で、自ら使うにはちょっと敷居が高めなのですが、ドラマ、小説、詩などではおなじみではあります。

今回は、ちょっと日本語にしにくい【그윽하다】について紹介していきたいと思います。

ネイティブがよく使う韓国語【그윽하다】とは

【그윽하다】の発音は[그으카다]「クウッカダ」となります。

意味を辞書で調べると、「奥ゆかしい」「奥深い」・・・というような意味が出てきます。

でも、先ほどの『愛の不時着』の会話に、この意味をそのまま当てはめてもなんとなくおかしい感じですよね。

実際、『愛の不時着』のドラマの字幕は「意味深な」という意訳になっていて、「奥深い」とは出てきません。

【그윽하다】は、文脈や場面によって訳し方がいろいろあるのですが、「優しい」「愛情のこもった」「ほんのりしている」「どこからともなく」というニュアンスで使われていることが多いようです。

先ほどの『愛の不時着』の場面の意訳「意味深な」も、「優しい目つきで見られると何か意味があるような感じになる」から・・・というつながりなのだと、私は理解しています。

では、この【그윽하다】を具体的にどのように使うか活用を確認しながら見ていきましょう。

【그윽하다】の使い方

へヨ体:그윽해요

基本の活用は、へヨ体。【하다】で終わっているので、【그윽해요】となります。

「目つき」や「香り」とセットで使われることが多いです。「優しい」「ほんのりと優しい」「愛情こもった」という感じで訳すのがよさそうです。

허브향이 그윽해요.

(ハーブの香りがほんのりやさしいです)

커피향이 그윽해요.

(コーヒーの香りがほんのりやさしいです)

눈빛이 그윽해요.

(目つきが、優しいです。愛情がこもっています)

動詞を修飾する形【~게】:그윽하게

動詞を修飾する形【~게】(「~く」「~ように」)の形も良く使われます。

【그윽하게】は、動詞の【바라보다】(みつめる)とよく一緒に使われています。

진우 씨는 약혼자 손 잡고 그윽하게 바라보고 있어요.

(ジヌさんは、婚約者の手をとり、優しそうに見つめています)

他には、【향이 나다】(香り出る)という表現とも相性が良いです。

커피향이 그윽하게 나는 헤이즐넛 크림 커피를 마시고 싶어요.

(コーヒーの香りがほのかにするヘーゼルナッツクリームコーヒーを飲みたいです)

におい、香りだけではなく、音についても【그윽하게】を使うケースもあります。この場合には、「どこからともなく」という感じなのでしょうか。

가을밤에 귀뚜라미 소리가 그윽하게 들려요.

(秋の夜、コオロギの鳴き声がどこからともなく聞こえてきます)

意外にも、お化粧がらみで【그윽하게】がよく使われています。派手なメークではなく「やさしく、やわらかい感じのメーク」というニュアンスなのでしょう。

이런 아이섀도우는 눈을 그윽하게 만들어 줍니다.

(このようなアイシャドーは、目を優しい感じにしてくれます)

辞書通りの意味で「奥ゆかしい」のニュアンスでも使われます。

그 작가는 사진에 한국의 미를 그윽하게 담아냈어요.

(その作家は写真に韓国の美を趣深くおさめました)

味の表現にも【그윽하게】がよく登場します。味わい深さ表現する時に使っているようです。

감칠맛이 그윽하게 흘러나왔어요.

(味わい深さがじわりと出てきました)

名詞を修飾する連体形:그윽한

名詞を修飾する場合には、【그윽한】+名詞となります。

香りのよい飲み物、食べ物、お花、目つき・・・そういうものと相性が良いようです。

커피향 그윽한 모카빵을 만들었어요.

(コーヒーの香りがほんのりしているモカパンを作りました)

추천 제품으로 그윽한 눈화장 해봅시다!

(おすすめの製品で優しいアイメイクをしましょう!)

그윽한 눈빛으로 카메라를 보고 있어요.

(優しい目つきでカメラを見ています)

매화 향기 그윽한 공원

(梅の香りがほんわか香る公園)

봄 향기 그윽한 우리 집 식탁

(春の香りがほんわか感じられる我が家の食卓)

いかがでしたか。なかなか日本語にしにくい【그윽하다】、詩的というか抒情的な単語である感じは伝わりましたでしょうか。

そういうイメージはあるものの、食べ物の味、香り、化粧のスタイルなど広い範囲で使うことも可能なので、これなら日常会話でも思い切って使えそうは気はしませんか?

私の中では、この単語はもう完全に『愛の不時着』のヒョンビンの【그윽한】目つきと切り離せない感じで刷り込まれています。

ぜひ、みなさんもこの奥深い単語を活用してみてください。

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