アンニョンハセヨ、韓国語好きのゆきーたです。
今回紹介するのは、副詞の【괜히】。
韓国語の副詞は、1つの単語でいろんな意味があったり、いろんな場面で使えることがほんとうに多いなと思います。
この【괜히】という単語も、辞書を見ると、「やたらと」、「無性に」、「理由もなく」、「むだに」と、それぞれ少しずつ意味も使い方も異なるような意味が出ています。そして、文脈次第で、どんな日本語にも訳せる単語です。
ネイティブがよく使う韓国語【괜히】とは?
【괜히】の発音
まずは、【괜히】の発音から確認します。
複合母音はなかなか手ごわいです。【괜】は、「クウェン」<kwen>といった感じの音です。それに、【히】がつくので、そのまま読めば「クウェンヒ」です。
でも、【히】の【ㅎ】は、弱くなりほぼ消えて、【이】となります。
そして【괜】のパッチム【ㄴ】とくっつきます。
そのたため、最終的な発音は[괘니](クウェニ)。でも、「ケニ」と言っても十分通じますし、実際、ネイティブが発音する音もそう聞こえます。
「ケニ」。これなら、簡単に発音できますよね。
【괜히】の基本の意味
さて、この【괜히】の意味は、
大きく分けて2つです。
①やたらと、無性に、理由もなく
②無駄に、むなしく
どちらの意味でも本当によく使われています。
次に具体的な使い方をみていきますね。
ネイティブがよく使う韓国語【괜히】の使い方
「やたらと、無性に、理由もなく」というニュアンスでの使い方
まずは、「やたらと、無性に、理由もなく」という意味での使い方を、例文をたくさん使ってみていきましょう。
まず、理由もなく無性に何かを食べたいなあという時ありますよね。そんな時には、この【괜히】がぴったりです。
오늘은 고기를 괜히 먹고 싶어요.
(今日はお肉が無性に食べたいです)
なぜだか感傷的な気分になって、涙が出てきてしまったり、泣きたい気分になったり・・・そんな時も【괜히】です。
괜히 눈물이 나요.
(わけもなく涙がです)
괜히 울고 싶어요.
(わけもなく泣きたい気分です)
理由なく、人気があるわけではない=ちゃんと理由があるから人気がある・・・という使い方で、お店やサービス、品物の評判を伝えるのにもこの【괜히】がよく使われます。
괜히 인기가 있는게 아니에요.
(理由なく人気があるんじゃないですよ=もっともな理由があるから人気があるんです)
괜히 80년 전통이 아니네요.
(理由なく80年の伝統ではないんです=もっともな理由があるから80年もの伝統があるんです)
괜히 유명한게 아니에요.
(理由なく有名なんじゃないですよ=もっともな理由があるから有名なんです)
「無駄に、むなしく」というニュアンスでの使い方
次は、「無駄に、むなしく」という意味での使い方です。
例えば、あるお店に行ってみたら閉店日で、「無駄足だった」というような時には、こう言います。
괜히 왔어요.
(無駄に来ました=無駄足でした)
よかれと思って話したのに逆に相手を怒らせて「言って損をした」というような時にも使いましょう。
괜히 말했어요.
(無駄に言いました=言って損した、言わなきゃよかった)
よかれと思ってついた嘘・・・でも、最終的には嘘をつく必要がなかったということありますよね。そんな時にも【괜히】で。
괜히 거짓말 했어요.
(無駄に嘘をつきました=嘘つかなきゃよかった)
買ってみたものの、いまいちだった・・・よくあることです。「無駄買い」も【괜히】でシンプルに表現できます。
괜히 샀어요.
(無駄に買いました=無駄買いでした)
雨が降るかと思って傘を持ってきたのに、傘の出番がなく「傘もってきて損をした」というような時も、そうです、【괜히】。
우산 괜히 가지고 왔어요.
(傘を無駄にもってきました=傘もってこなきゃよかったです)
「どうしよう、どうしよう」と悩んでいたけど、思いのほかあっけなく問題が解決したりすることってありますよね。
そんな時は、【고민하다】(思い悩む)という動詞を使って、こういいましょう。
괜히 고민했어요.
(無駄に悩みました=たいして悩む必要がなかったのに悩んでました)
かける必要がない迷惑を、相手に迷惑をかけてしまって謝るときにも、【괜히】を使うことがあります。
괜히 폐를 끼쳐서 죄송해요.
(無駄に迷惑をかけてすみませ=かけなくてもいい迷惑をかけてしまいすみません)
そして、【괜히】は、ドラマなどでもよく耳にするのですが、ちょっと怖い場面では、こんな使い方も。
괜히 떠들면 죽어!
(いたずらに騒ぐと、死ぬぞ=いたずらに騒ぐと殺すぞ)
いかがでしたでしょうか。日本語でも「無駄足だった」「無駄買いだった」「言わなきゃよかった」ってよく使いますよね。
そんなニュアンスを【괜히】という1単語で簡単に表現できます。
一度使いだすと、その便利さ加減に、思わず日本語でも使ってしまいそうなぐらいです。ぜひ、ぜひ活用してみてください。