ネイティブがよく使う韓国語【무조건】をマスターする。

便利な名詞

韓国にいる時に、やたらと耳にしたのがこの【무조건】という単語です。単語そのままの意味は「無条件」。

日本語の場合、「無条件」というと、「なんの条件もつけないこと」という意味でしか使わないかと思います。

でも、韓国語では、そのような意味に加えて、というか、そのような意味から派生していろいろな意味で使われることが多く、日常会話で本当によく登場する単語です。

今日は、大人気ワード【무조건】を紹介していきたいと思います。

ネイティブがよく使う韓国語【무조건】の発音に注意!

意味と使い方に入る前に、発音を確認しておきます。무조건】の発音には、少し注意が必要です。

普通、語頭以外にある【ㄱ】の音は、濁って発音されます。なので、【무조건】もそのルールに当てはめるならば、「ムジョゴン」とならなくてはだめですよね。

でも、実際の発音は、濁りません。「ムジョッコン」[무조껀]というように、【건】【껀】と濃音になってしまうのです。

なぜなのか?

音が濃音に変化するルールはいくつかのパターンがあるのですが【무조건】の場合には、「漢字語に接尾辞的な要素の強い漢字語」が付いているために濃音化するケースになります。

接尾辞とは、文法的な機能があるけれど、それ自体では語として成り立たない要素のこと。日本語だと、例えば「~的」「~状」といったようなもの。

무조건】の【조건】を見てみると、漢字語【조】(条)に、接尾辞的な要素のつよい【건】(件)がついています。そのため、[조껀]という発音になります。

他にも、【사건】(事件)、【안건】(案件)などもすべて濃音化し、[사껀]、[안껀]となります。

ネイティブがよく使う韓国語【무조건】とは?

日本語だと「無条件」は、そのまま「無条件」という唯一の意味しか使い様がないのですが、韓国語の【무조건】は違います。

名詞として「無条件」そのままの意味

【무조건】は品詞としては、名詞です。

名詞として、「無条件」というそのままの意味で使います。

무조건 항복

(無条件降伏)

무조건 반사

(無条件反射)

副詞的に用いられるときの意味

形は変わらずそのまま【무조건】で、動詞を修飾する副詞的な働きもしてくれます。

その場合には、大きく分けて4つの意味で使われます。

①無条件に

②文句なしに、とにかく、絶対に

③頭ごなしに

④どれでも

詳しい使い方は、次に見ていきます。

ネイティブがよく使う韓国語【무조건】の使い方

「無条件に」というニュアンスでの使い方

まずは、「無条件に」、つまり「何も制約がなく」「何も条件がなく」というニュアンスでの使い方。この場合は、素直にそのまま訳せます。

무조건 용서해요.

(無条件に許します)

무조건 받아들여요. 

(無条件に受け入れます)

「文句なしに、絶対に、間違いなく、とにかく」というニュアンスでの使い方

次は、「文句なしに、絶対に、とにかく」というニュアンスでの【무조건】。文脈によって訳の日本語はかわってきます。

「文句なし100%賛成です」ということを伝えるような時に使える文がこちらです。

무조건 찬성해요. 

(文句なしで賛成します)

逆に、何を言っても反対されるような時には、こんな例文が使えます。

무조건 반대만 해요.

(とにかく反対ばかりします)

아버지는 제가 하는 일에 무조건 반대해요. 

(父は私のすることにとにかく反対します)

面白い使い方としては、「とにかくやってみよう!」と言いたい時には、こんな風にも使えます。

할까 말까 고민이 될 때는 무조건 하자. 

(しようかどうか悩むときには、とにかくやってみよう)

何かを始める前に不安がっている時、「とにかく始めてみようよ、始めてみないとわからない」というニュアンスを伝えられるのはこちらの文です。

무조건 시작하자.

(とにかく始めよう!)

何かを強くおすすめしたい時の文言としても、【무조건】をよく使います。

무조건 맛있는 레시피예요. 

(間違いなくおいしいレシピです)

무조건 가야 할 맛집. 

(絶対に行かなきゃダメなおいしいお店)

ある友人が、「お酒飲まないとダメな気分」ってことを伝えるためにこんな言い方もしていました。

오늘은 무조건 술이죠. 

(今日は絶対にお酒でしょ)

「頭ごなしに」というニュアンスでの使い方

お次は、「頭ごなしに」というニュアンスで使われるパターンです。

「しけりつける」という意味の【야단치다】や「小言を言う」という意味の【잔소리하다】とセットで使われることが多いです。

아버지는 무조건 야단쳐요. 

(父は頭ごなしにしけりつけます)

어머니는 무조건 잔소리해요. 

(母は頭ごなしに小言を言います)

「どれでも、なんでも」というニュアンスでの使い方

よくお店で【무조건 ×××원】という値札を目にすることがありますが、「とにかく(どれでも)×××ウォン」という意味の売り文句です。

여기 있는 것들은 무조건 2,000원이에요.

(ここにあるものはどれも2,000ウォンです)

特定の人が言ったことなら、なんでも信じてしまう人については、こんな表現を使えます。

그는 여자 친구 말은 무조건 믿어요.

(彼は、彼女の言葉はなんでも信じます)

どうでしょうか。【무조건】が文脈によって、七変化してしまうのがお分かりいただけましたでしょうか。この1つの単語で、いろいろなニュアンスで使えるので、使いまわし度No.1。

私は今でも日本語で話してても、ついつい、韓国語の【무조건】の感覚で、「無条件」を使ってしまうことがあるぐらいです。皆さんも、この【무조건】をたくさん使ってみてください。

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