アンニョンハセヨ。韓国語好きのゆきーたです。
この「韓国あれこれ」のカテゴリーでは、私が韓国語や韓国について感じたこと、思ったことを自由に書いています。
今日のお題は、「時間や量の表現の仕方」について。
というのも、韓国の人と会話していていると、時間的感覚、量的感覚、そしてそれを表現する方法が少し日本人と違うなあと感じることが少なくないからです。
韓国の弱風は、日本の強風?
以前、韓国旅行の最中、友達の家に滞在をした時の話。友達のお母さんにドライヤーを貸してほしいとお願いをしたところ、お母さんは、
우리집 드라이는 안 좋은 것이라 아주 약한 바람밖에 안 나오는데 괜찮아?
(うちのドライヤーは、良いものじゃないから、弱い風しかでないけど、いい?)
といいながら、貸してくれました。
私は、お母さんの言葉を信じて、弱い風しかでないものだとばかり信じて、ボタンを押してみました。すると、びっくり。ものすごーい強い風が出てきたのです。
日本でなら、「強風」といってもいいほどの強さなのに、韓国ではこれを【약한 바람】(弱い風)というとは。いったい、韓国の【강한 바람】(強い風)がどんなものなのか・・・少し怖くもありました。
道を聞いたら返ってくる答えは2つに1つ?
そして、時間的感覚の話でいうとこんな例も。
韓国人に道を聞いて、歩いてどれぐらいなのかきいてみると
조금 가면 돼요. (すこし行けば大丈夫ですよ=少し行けば到着しますよ)
もしくは、
조금 오래 걸려요.(すこししばらくかかりますよ=少し遠いです)
のどちらかになることが多いです。
【조금】と【조금 오래】。この2つの具体的な差がどんなもんなのか。・・そして、この2つの中間はないのか、そのあたり、かなりあいまいなのです。
韓国人ご愛用の【거의 다】の罠
そして、一番厄介なのが、韓国人が良く使う、常套表現のこの3つ。
거의 다 왔어요.(ほとんどすべて来ました=ほとんど到着した)
거의 다 했어요.(ほとんどすべてしました=ほとんど終わりました)
거의 다 됐어요.(ほとんどすべてできました=ほとんど出来上がりました)
という表現。
例えば、タクシーに乗り、運転手さんにあとどれぐらいかかるのか聞いてみると、高い確率で
거의 다 왔어요.
と返事が返ってきます。
日本人の感覚でいうと、【거의 다】(ほとんどすべて)と言われたら、あと1分ぐらいで到着するとか、9割は到着しているとか・・・を想像してしまいます。
ところが、韓国人運転手さんが、【거의 다 왔어요】といってから、5分、多ければ10分さらにかかるということは珍しくありません。
おそらく、正確にいうのが難しいから簡単に、シンプルにそんな風に言ってる可能性もあるのですが、とにかくこの【거의 다】という表現には、要注意です。
韓国人が【거의】を愛用するその理由
と、こんなことを韓国人に話してみたら、おもしろいエピソード&アドバイスをいろいろ教えてくれました。
例えば、韓国人と山登りして、【거의 다 왔어요】(ほとんど到着しました)という言葉を言われたら気を付けたほうがいいよ・・・とか。つまり、頂上はまだ先だということらしいです。
【거의 다 왔어요】は、【 아직 멀었어요】(まだ遠いです)を遠回しに言ってるだけだからだ、うのみにしないで・・・とか。
そして、相手を安心させるために【거의 다】を使いまくっているというのが、彼らの言い分です。
よくある例としてあるのが、
待ち合わせ時間に遅れて、「まだ?」と相手から電話がかかってきて、【거의 다왔어요】といって安心させる(本当はやっとバスにのったところだけど)というパターン。
または、用事が終わってるのか親から聞かれて、【거의 다 했어요】(ほとんどすべてしました)と言ってるけれど、実は始めたばかりだった。
お客さんから、「注文したものまだ?」と聞かれ、【거의 다 됐어요】(ほとんどすべてできました)と返事をする(実は、まだできてないんだけど・・・)というケース。
どの場合にも、何かを待ってる人を安心させるための常套句としてを使っているんだとか。
そういわれてみたら、なんとなく納得もできます。
いずれにしても、単純に日本語に訳して「ほとんど→もうちょっとでおわる→ゴールは間近」と思い込んではいけないってことですね。
皆さんも【거의 다】(ほとんどすべて)をそのまま素直に受け取らず、実際は【거의 다】でないことを分かりつつ、大人の対応で流するという心得が必要なことがあるかもしれません。参考にしてみてください。